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サンパウロ市=地下鉄内で義眼をなくす=珍しい遺失物引きも切らず

 サンパウロ市の地下鉄3号線でシリコン製の義眼をなくした人がおり、1週間後にセー駅内の遺失物コーナーに届けられた。
 6月3日に義眼をなくしたのは女性乗客で、車両内の乗客の助けも借りて探したが、見つからなかったため、ギリェルミナ・エスペランサ駅の職員の支援も求めた。
 女性乗客は諦めてその場を去ったが、その1週間後、義眼探しを手伝った別の女性が、自分のカバンの中に義眼が入っていたのに気づき、セー駅の遺失物コーナーに届け出た。
 義眼はその後も持ち主が現れ、引き取ってくれるのを待っているが、地下鉄職員によると、遺失物コーナーには、身分証明書や鍵といった一般的な物と共に、車椅子、義足、松葉杖、乳母車、ウエディングドレスなど、普通の人が想像さえしない品も届けられる。
 2015年にセー駅の遺失物コーナーに届けられた品は8万1千点に上り、その63%は証明書その他の書類だ。持ち込まれる点数が多いのは、身分証明書、文房具、財布、スカーフや上着などの衣類の一部、アクセサリー、携帯電話などだという。
 自分がなくした物が同コーナーに届けられているか否かの確認は電話やインターネットでも可能だ。15年の問い合わせ件数は11万6千件で、1日に約317件の問い合わせがあったという。セー駅の窓口まで来ての問い合わせは3万7千件だった。
 遺失物の多かった駅はセー、ジャバクアラ、パウメイラス―バラ・フンダ、コリンチャンス―イタケーラ、レプブリカ、トゥクルヴィ、サンベント、サンターナ、ルス、アナ・ローザだという。
 同コーナーに届けられた品は60日間保管されルが、引き取り手が現れない場合は、書類は発行元に、それ以外の品で状態の良い物は社会福祉基金に寄付される。
 セー駅にある遺失物コーナーの窓口は、祝祭日を除く月曜日から金曜日の7時から20時まで開いている。電話での問い合わせ(0800―7707722)は曜日や休日に関係なく、5時30分から23時30分まで対応してくれる。(16日付G1サイトより)