16日、エンリケ・エドゥアルド・アウヴェス観光相(民主運動党・PMDB)が辞表を提出し、テメル暫定政権発足後、5週間で3人目の閣僚辞職となった。同氏はこの前日、トランスペトロ元総裁のセルジオ・マシャド氏の報奨付供述で収賄疑惑を暴露されていた。17日付伯字紙が報じている。
アウヴェス氏は下院議長(13~14年)だった14年のうちから、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)に絡んだ疑惑の政治家の一人として名前があげられていた。
ロドリゴ・ジャノー検察庁長官は今月上旬、マシャド氏による暴露に先立って、アウヴェス氏を最高裁に告発していた。同長官が挙げた容疑は、ペトロブラスとの事業契約でOAS社に有利になるような法案承認で便宜を図った見返りに、同社からの賄賂を受け取ったことと、14年の北大河州知事選の資金援助を同社に頼んだこと(結果は落選)だ。これらの容疑は、レオ・ピニェイロOAS元社長の報奨付供述などで明らかにされ、アウヴェス氏の後任で現在停職中のエドゥアルド・クーニャ下院議長も関与していたとされる。
また、マシャド氏は、アウヴェス氏には2008~14年にケイロス・ガウヴォンとガウヴォン・エンジェニャリアから、合計155万レアルにのぼる金が支払われたことを暴露した。同氏の供述によれば、アウヴェス氏は選挙などで金が必要になると同氏を探していたという。
また、報奨付供述が最高裁によって認められそうな、連邦貯蓄銀行元副総裁のファビオ・クレト氏も、その中でアウヴェス氏の不正について言及しているという。
これでテメル暫定政権にとっては、ロメロ・ジュカー前企画相、ファビアーノ・シウヴェイラ前汚職対策相に続く3人目の辞職者となった。
ジュカー氏とシウヴェイラ氏は共に、マシャド氏の盗聴でのLJ作戦妨害を望むような失言が元での辞任となった。
だが、アウヴェス氏の場合、マシャド氏の言及直後の辞任ではあっても、早くからLJの疑惑のただなかにあり、就任当初からその起用を疑問視する声があった。特に、エリゼウ・パジーリャ官房長官は、暫定政権のイメージ低下につながるとし、アウヴェス氏にジウマ政権から続いていた同職を辞任するよう勧めていたが、アウヴェス氏はパジーリャ氏のことを批判していた。
アウヴェス氏はテメル大統領代行に近い人物としても知られていたが、15日夜、テメル大統領代行と話して辞任を決めた。五輪終了までは、観光省のトップのアウベルト・アウヴェス氏が後任をつとめる。
テメル大統領代行は16日、マシャド氏の暴露は無責任で嘘にまみれ、犯罪的だと非難したが、ラヴァ・ジャットに3人の閣僚を奪われることとなった。
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