バスケットボールの世界の頂点、アメリカのNBAのプレーオフのファイナルの最終戦がカリフォルニア州オークランドで行われ、クリーブランド・キャバリアーズがゴールデン・ゲイト・ウォリアーズを下して優勝を飾ったのは、世界中のスポーツ・ファンの注目を浴びた。
この試合の注目はもっぱらNBA随一のスター選手レブロン・ジェイムス率いるキャバリアーズが、1勝3敗の劣勢から最後に3連勝して逆転という、同プレーオフ史上最大の逆転劇が話題となっているが、ブラジル人的にはウォリアーズに応援したい選手がいた。
実はこの試合、ウォリアーズが優勝すれば、ブラジル人NBA王者が2人生まれるところだった。その2人とは、〃レアンドリーニョ〃ことレアンドロ・バルボーザと、アンデルソン・ヴァレジャオだった。
特に注目はヴァレジャオに集まっていた。なぜなら彼は、この2月までキャバリアーズの主力選手だったからだ。キャバリアーズには通算12年在籍し、チームの顔のひとりにもなっていたが、14年12月に左足アキレス腱を切断して以来、プレーに精細を欠き、同チームから放出された。
だが、ヴァレジャオは昨年の覇者ウォリアーズに加入して、主力とは決していえない、限られた時間での起用の中で地道に結果を出し、ウォリアーズの2年連続となるウェスタン・カンファレンス優勝に貢献した。
奇しくもイースタン・カンファレンスの優勝は古巣のキャバリアーズが飾った。これによりヴァレジャオは。NBA史上初の「1シーズンに在籍した2チームが両方ともファイナルに進んだ選手」として注目されていた。
ヴァレジャオは2007年、そして昨年15年と、キャバリアーズの一員としてファイナルで王者にあと一歩まで迫っていた。今年は3度目の正直、しかも、相手がキャバリアーズだけに奮い立つものもあった。当初はチームの調子も良く、3勝1敗とウォリアーズの2連覇も見えていた。
だが、5戦目からキャバリアーズが調子と勢いを取り戻し、最終的には逆転でウォリアーズが連覇を逃したため、ヴァレジャオの3度目の正直でのNBA王者もなくなった。彼自身も最終戦で、得意のリバウンドが取れず、3度のファウルを冒すなど、精細に欠いた。
規定によりヴァレジャオには、「シーズンの前半に在籍した」ということで、キャバリアーズの優勝記念リングが与えられることになった。
ヴァレジャオ自身は「今はウォリアーズのメンバーだから」と敗戦を悔やんだ。だが彼は、古くからの友人の多いキャバリアーズのメンバーたちへのエールも忘れなかった。(20日付オ・グローボなどより)