ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で、オデブレヒト社のマルセロ・オデブレヒト被告やOAS社のレオ・ピニェイロ被告といった元社長の報奨付供述の行方が注目されている。連邦警察は、ペトロブラス(PB)に関連した事業での大型不正(ペトロロン)に関与したとされる主要企業がサッカーW杯やリオ五輪前の空港入札にも絡んでいることに着目し、詳細を知りたがっている。19日付エスタード紙が報じている。
空港事業の大型入札は2011~13年に行われたが、これらの事業の落札企業はペトロロンの代表的存在ばかりだ。
実例を見てみると、リオのガレオン空港はオデブレヒトが190億(単位はレアル。以下同)、サンパウロ州グアルーリョス空港はOASが160億、ブラジリアのJK空港はエンジェヴィックスが45億レアル、サンパウロ州カンピーナスのヴィラ・コッポス空港はUTCが38億、ミナス・ジェライス州のコンフィンス空港はアドラーデ・グティエレスとカマルゴ・コレアが18億で落札している。これらの事業の落札額は451億レアルに及ぶ。
これらの事業に関する具体的な疑惑は判明していないが、「PBで起きことは高速道路や鉄道、港湾、空港、水力発電の分野にまで及んでいる」との発言は、ペトロロンの中核にいたPB元供給部長パウロ・ロベルト・コスタ被告が2014年10月に行っていた。
またLJではこの4月に、グアルーリョス空港に関する不正疑惑の捜査を行っており、元上院議員のジム・アルジェロ氏(ブラジル労働党・PTB)を逮捕している。
もし、これらの事業でもペトロロンのような不正が行われていたなら、社会経済開発銀行(BNDES)や年金ファンドの金が使用されたことにもなる。これらの入札はジウマ政権時に民間航空庁長官だったモレイラ・フランコ氏(PMDB)の下で行われたが、これで不正があったことが明るみになれば、ジウマ氏にもテメル暫定政権にも手痛い材料となる。
20日付エスタード紙は、オデブレヒトの闇ブローカーだったヴィニシウス・ヴァイガ・ボリン被告が、同社が労働者党元選挙参謀のジョアン・サンタナ被告夫妻の口座への送金などに使っていたオフショア42社の口座の大半は、サンパウロ市のアンティグア・オーバーシーズ銀行がオーストリアのマイネル銀行アンティグア支店を買収した10年以降に開設されたことなどを報奨付供述で語り始めたと報じている。
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