連邦政府と各州の代表は20日、ブラジリアで会合を行い、州が国に抱える負債の返済に関する協定を結んだ。それによると、州は向こう半年は返済を行わず、2018年6月まで返済の割引を受けることとなる。それにより、連邦政府が受け取り延期となる額は、3年間で500億レアルにのぼる。21日付伯字紙が報じている。
20日に決まった返済額の算出によると、16年7月分から12月までの半年間、州は国から最大で返済額の100%の割引を受ける。つまり、その6カ月の間は返済が不要となる。
その期間終了後、17年1月分からは、割引率が5・55%ポイントずつ減っていく。つまり、17年1月は94・45%、翌2月が88・9%といった具合で、18年6月の0・1%まで割引率が徐々に減る。当然、18年7月からの割引率はゼロとなる。
ただし、月々の返済額が12億8千万レアルと巨額のサンパウロ州に関しては、100%の返済減額は適用されず、割引の最高は30%にとどまる。その代わり、他州では最高3億レアルとされた月々の割引額は、4億レアルまで拡大された。
また、国への負債返済期間を20年、社会経済開発銀行(BNDES)からの融資5種類の返済期間も10年間延長された。BNDESへの返済は、最大4年の猶予期間も認められた。ただし、その返済対象には14年のサッカーW杯絡みのものは含まれない。
今回、取り入れられた方式は、4月27日に最高裁が、各州と国の間で負債返済の利子分を単利計算で支払うか、複利計算で支払うかも含めた協議を行うよう定めた60日間の交渉期限が切れる目前で決めた、新たな支払い方法だ。
各州の財政は、国に対する負債返済の必要により、厳しく締め付けられている。負債額が州の財産に達したり、それを超えたりしている州も珍しくない。最大は南大河州の州財産に対し227・2%の負債で、ミナス・ジェライス州が198・7%、五輪を控え財政破綻状態のリオ州も197・8%と極めて高い。200%を超えると、財政責任法違反の対象にもなる。
今回の対策により、向こう3年間の国庫への返済金は50億レアルの減額となる。その内訳は、16年が20億レアル、17年と18年は15億レアルずつの見込みだ。
エンリケ・メイレレス財相は、今回の対策が州の債務返済を緩和するものであるとの考えを否定し、「むしろその逆で、知事たちに返済額をはっきりとさせるためのものだ」としている。
また、今回の返済プランと引き換えに、テメル暫定政権は、州知事たちに、向こう数年間の支出の伸びは公式インフレ率(IPCA)を上限とする案を承諾させることにも成功した。