21日、連邦警察の新たな作戦、トゥルブレンシア作戦がペルナンブッコ州とゴイアス州で行われ、贈収賄と資金洗浄の容疑で4人が逮捕された。これらの逮捕者は、14年8月に墜落死した大統領候補エドゥアルド・カンポス氏(ブラジル社会党・PSB)が乗っていた小型ジェット機の所有企業関係者らで、10年のペルナンブッコ州知事選、14年の大統領選でカンポス氏に不正献金を行っていた可能性も疑われている。22日付伯字紙が報じている。
逮捕された4人は、カンポス氏らを乗せて墜落した小型ジェット機「PR―AFA」所有者のジョアン・カルロス・リラ・デ・メロ・フィーリョ、アポロ・サンタナ・ヴィエイラの両容疑者と、両容疑者が同機を購買する際に資金を出したとされるエドゥアルド・ベゼーラ・レイテ、アルトゥール・ラパ・ロサルの両容疑者の4人だ。また、カマラ&ヴァスコンセロス・ロカソン社(C&V)社長で前記の容疑者らに金を貸したとされるパウロ・セーザル・デ・バロス・モラット容疑者は逮捕状が出ていたが所在不明で、逃亡と見なされている。
この小型ジェット機は、カンポス氏の大統領選キャンペーンに際する賄賂の一部ではないかと見られていた。この墜落機の売買の際、関連した企業の銀行口座で不審な動きが見られていたためだ。小型ジェット機の真の所有者を突き止めるための捜査は、カンポス氏の死の直後に始まった。
同件担当のアンドレア・アルブケルケ警部らは、同機の購買資金を貸与したC&Vは、PSBの重鎮の一人で第1期ジウマ政権で国家統合相をつとめたフェルナンド・ベゼーラ・コエーリョ上議を通して、カンポス氏への選挙資金を提供していたと見ている。
C&Vは、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)の仕掛け人で闇ブローカーのアルベルト・ユセフ被告が報奨付供述で言及した疑惑企業だ。同被告によると、C&Vはペルナンブッコを流れるサンフランシスコ川の疎水工事で、土地整備などの名目でLJの疑惑企業であるOAS社から1880万レアルの不正入金を得ていたという。つまり、この件にもLJが絡んでいるというわけだ。
連警が掴んだ怪しい資金の流れは小型ジェット機に留まらず、架空企業や個人所有の18の口座を使った不正なやり取りも発覚した。これらの口座を使った金のやり取りは、カンポス氏がペルナンブッコ州知事選に出馬した10年頃までさかのぼり、同氏が亡くなった14年以降は金の動きが小さくなったという。
21日に敢行された作戦は、逃亡者1人を含む5人への逮捕令状の他、33件の家宅捜索と物証押収、22人の強制連行を含む大掛かりなものだった。なお、ベゼーラ上議は裁判権が最高裁にあることなどから、捜査対象から外れている。