ペトロブラス(PB)絡みの汚職を摘発するラヴァ・ジャット作戦(LJ)や、財務省税務監理審議会内の不正を暴くゼロテス作戦で告発された企業32社の収益は、国内総生産(GDP)の14%に上り、汚職摘発の影響は様々な部門に及んでいると19、22日付エスタード紙が報じた。
14年に始まったLJの捜査対象には、PBやオデブレヒト、OAS、カマルゴ・コレアなど、名だたる企業の名前が出てくる。エスタード紙が14年の資料で試算したところ、PBの事業受注時にカルテルを組むなどして不正な利益を得ていたとされる企業23社の収益は5600億レだ。ゼロテス作戦で摘発されたブラデスコ、サンタンデール、ゲルダウなど9社の収益は1960億レで、32社の総計7560億レは、14年のGDP(5兆5200億レ)の13・7%に及ぶ。
LJやゼロテスで摘発された企業は様々な形で責任を問われ、事業の縮小や罰金徴収などに伴う負債増大、解雇、倒産など、負の影響が噴出している。例えば、LJ開始以降、PBは17万人、オデブレヒトも5万人のように解雇が進み、建設業界14万人を筆頭に、関連企業全体で100万人が解雇された。
LJでは関係者逮捕や裁判も進み、汚職は罰せられる事が明確にされたため、報奨付供述に応じる人物も続出している。
解雇以外に数字となって表れた損失の一つは、勤続期間保障基金(FGTS)の投資基金だ。LJで摘発された企業への融資焦げ付きや、会社更生法適用などで時価額が減ったりした事で、昨年の収益は前年比3%、9億レの減額となった。
減収の最大要因は、PBの石油採掘船建造と運営用に創られたセッテ・ブラジル救済向けに18億レを供出した事だが、LJ関連企業への投資額は一時、同基金の資金の3分の1に及んでいたという。同基金の投資は本来、年6%プラス参考金利(TR)の利益を上げる事が要求されている。