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おたふく風邪=サンパウロ州で8年ぶりの大流行=予防接種履歴の見直し必要

 サンパウロ州保健局疫病監視センター(CVE)発表のデータによると、サンパウロ州で今年発生したおたふく風邪の件数は08年以来最大となったと22日付エスタード紙が報じた。
 最新のデータは6月16日現在のもので、発生件数は842件に上っている。09年から15年の間の年間総数は、最少だった14年の118件から最大だった15年の671件の間を推移していた。08年は年間総数で3394件だった。
 予防ワクチン接種の不徹底と、今年のウィルスが活発な事の二つが流行の原因とされている。
 エミリオ・リバス研究所救急科主任の疫病医ラルシオン・テイシェイラ氏は、「理由を一つだけあげることはできない。今年のウィルスは感染力が強く、量的にも多い。現在と2000年以前はワクチン接種の方法が違っており、適切なワクチン接種を受けていない層がいる」と説明し、潜伏期間が長く、症状が現れる前に他者にも感染してしまうとした。
 今年の1月、疫病学者のルシアーナ・マルケス・サンソン・ボルジェス氏(31)は、両側の耳下腺が腫れた。家族にも、職場にもおたふく風邪の患者はいなかったという。ボルジェスさんは罹患後、かつて受けた予防接種は2種混合で、おたふく風邪ワクチンが含まれていなかった事に気づき、接種し直した。
 おたふく風邪には特効薬がないため、患者には、自宅静養と非罹患者からの隔離が求められる。
 エジムンド・ヴァスコンセロス複合病院のグラズィエラ・アナ・ペレイラ医師は、「おたふく風邪には抗ウイルス薬がないので、鎮痛剤と抗炎症薬をとり、安静にしているより他にない。人ごみは避け、頻繁に手を洗うことも重要」と語った。