23日午前、「クスト・ブラジル」と名付けられたラヴァ・ジャット作戦(LJ)が敢行され、ルーラ政権で企画相、ジウマ政権で通信相をつとめたパウロ・ベルナルド容疑者(労働者党・PT)が逮捕されたほか、同容疑者と妻のグレイシ・ホフマン上議の自宅に家宅捜査が入り、さらにサンパウロ市にあるPT本部にも捜査が及んだ。23日付伯字紙サイトが報じている。
今回の作戦の目的は、2010~15年に結ばれた総額1億レアルの情報処理サービス契約に関連し、企画省職員や同省に関連する職務を担当する公務員、また、それに近い人物に賄賂が払われていたとの疑惑解明だ。15年8月に実施されたLJ第18弾をさらに追及する形で敢行された。
同作戦では、ベルナルド容疑者らが逮捕された他、ジウマ政権の元社会福祉相のカルロス・バガス氏、ブログ「ブラジル247」を営むジャーナリスト、レオナルド・アトゥッチ氏らが強制連行された上で事情聴取を受けている。
「クスト・ブラジル」はサンパウロ州、パラナ州、南大河州、ペルナンブッコ州、連邦直轄区で展開され、11人に逮捕状が出た他、14人が強制連行を受け、家宅捜索や物証押収のための令状も40件も出た。
ベルナルド容疑者以外の逮捕者には、既にLJで実刑判決を受けたPT元中央会計のジョアン・ヴァカリ・ネット被告や、同じくPT元会計のパウロ・フェレイラ容疑者が含まれている。同容疑者はジウマ政権の元社会開発相テレーザ・カンペオ氏の夫でもある。さらにフェルナンド・ハダジサンパウロ市長の下で局長をつとめるヴァルテル・コレイア・ダ・シウヴァ容疑者らも逮捕された。
ベルナルド氏は05年~10年に企画相、11~15年は通信相をつとめた。同容疑者は10~15年にコンシスト・グループから560万レアル(一説では700万レアル)相当の賄賂を受け取ったとされている。
ベルナルド容疑者は、第1期ジウマ政権で官房長官を務めた妻のグレイシ・ホフマン上議の選挙資金として100万レアルを要請した容疑もかけられており、パラナ州クリチーバ市にある同夫妻の自宅も家宅捜索の対象となった。同上議は国外出張中で不在だった。
グレイシ氏の08年のクリチーバ市長選、10年の上院議員選にスタッフとして参加した弁護士のギリェルメ・デ・サレス・ゴンサウヴェス容疑者にも逮捕状が出たが、現在は国外におり、逮捕されていない。ベルナルド、グレイシ両氏は、LJの早い段階から疑惑の政治家と目され、検察庁が最高裁に提出したリストにも入っている。
また、捜索はサンパウロ市セントロにあるPT本部にも及び、コンピューターなどが押収された。ベルナルド容疑者らの逮捕と党本部などに捜索の手が及んだことで、同党には激震が走った。
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