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テントの中で記者団の質問に答えるハダジ市長(Heloisa Ballarini/SECOM)
テントの中で記者団の質問に答えるハダジ市長(Heloisa Ballarini/SECOM)

サンパウロ市寒波=避難テント半分埋まらず=今後5カ所に建設予定=「犬小屋まで造る」と市長

 【既報関連】サンパウロ市が寒波対策として市内中央ガレリア・プレステス・マイアに建てた緊急避難用テントの運用初日は、空きが目立ったと23日付伯字各紙が報じた。
 このテントには250台の2段ベッドが用意され、男性用、女性用に分かれたシャワーと、朝食と夕食が提供される。500人収容できるテントを初日の21日に利用した路上生活者は232人のみで、268人分のベッドは空いていた。
 プレステス・マイアのテントはフェルナンド・ハダジサンパウロ市長(労働者党・PT)が発表した、四つの対寒波緊急避難テントの一つで、この次は東部のモオッカ、その後は中央部のセーとグリセリオに建てられる。
 寒さに震える路上生活者から、景観対策と称してマットレスや段ボールを強制的に取り上げた事や、寒波が原因と疑われる死者が5人出た事などで強い批判を受けたハダジ市長は、先週、個人所有の品の没収停止と緊急避難テントの設置を発表していた。
 サンパウロ市は23日、「所在地などの告知が間に合わなかった初日としては、232人の利用者数は充分。投資効果はあった。路上生活者たちにも受け入れられている」と自讃した。
 テントが満員にならなかったにも関わらず、大型テントに近いパトリアルカ広場では50人が野外で夜を明かした。「寝られるだけなら行かないね。どんなところか、もう見た?」とセー広場の路上生活者は語った。
 プレステス・マイアのテントでは、路上生活者の所有するリヤカーも市警備隊(GCM)が保管する。犬を連れている人のための犬小屋も、週末までには設けられる。ハダジ市長は「様々な要求を持つ路上生活者に対応するため、ここまでやっている。距離が遠いとの声も聞いている。大きなリヤカーを引き、犬を連れて何キロも歩くのは誰にとっても簡単ではないが、市中央部ではその問題も改善されている」と語った。