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経済危機で長者数が減少=世界的には増加する中で

 キャップジェミニによる世界の長者番付で、ブラジルは最も長者の数が減った国である事が判明した。
 景気後退や株式並びにレアルの価値下落といった要因により、2015年のブラジル人の長者数は16万1千人から14万9千人に減った。世界的には長者数が増える傾向にあり、7・8%の減少は最大級だった。これにより、ブラジルの長者数別ランキングは、ロシアに抜かれ、16位から17位に後退した。
 世界全体の長者数は1540万人で、資産総計は58兆7千億ドル。長者数は2014年より80万人増え、資産総額は4%上回った。景気後退や経済危機が言われた欧州も回復に向かい、長者数が4・8%増えた。オランダの場合は7・5%増えたと報告された。
 同調査での長者は土地や家屋、車などの資産は除いた年収が100万ドルを超える人で、年収が3千万ドルを超えると超裕福と位置づけられる。
 ラテンアメリカは超裕福層が多く、人数では世界全体の8・4%、資産額では同28%を占めている。ブラジルの超裕福者はラテンアメリカの超裕福者の56%を占めているが、前年比では6・0%減少。市場関係者らは、政治的な不透明感が払拭されない事や株式市場の下落もあり、ブラジルの長者数は今年も減ると見ている。
 国別のトップは米国の440万人で、以下、日本の270万人、ドイツの120万人、中国の100万人と続く。中国の長者数が100万人を越えたのは初めてで、日本や中国といったアジア人の長者の資産額は、前年比10%増の17兆4千億ドルに達した。北米の長者の資産総額は16兆6千億ドルで、アジア勢の資産額は初めて、北米勢のそれを上回った、ラテンアメリカ全体の長者の資産額は7兆4千億ドルだった。(24日付エスタード紙より)