【既報関連】23日に行われたラヴァ・ジャット作戦(LJ)の「クスタ・ブラジル」は労働者党(PT)や旧ジウマ政権に大きな衝撃を与えたが、これが政界に示す意味を24日付エスタード紙が報じている。
ルーラ~ジウマ政権で企画相、通信相を務め、重要閣僚の一人だったパウロ・ベルナルド容疑者の逮捕はとりわけ、罷免問題を抱えているジウマ氏には痛いものだった。それは、ベルナルド容疑者の妻のグレイシー・ホフマン上議が、ジウマ第一期政権で右腕役となる官房長官まで務めた人物でもあったためだ。
グレイシー上議の名前はLJで逮捕された被告の報奨付供述で、かねてから疑惑の政治家の一人として挙がっていたが、23日は「ベルナルド氏と同居している住居」ということで、連警による家宅捜索を受けた。
この件は上院で問題視され、23日のうちに捜索を無効にするようにとの呼びかけがはじまっている。最高裁でも5人の判事がグレイシー氏の家宅捜索を不適切なものとする見解を表明した。
今回の「クスタ・ブラジル」ではさらに、社会福祉相だったカルロス・ガバス氏も事情聴取を受けたが、これら一連の動きは、ジウマ氏にとっては痛いものとなった。ジウマ氏と結びつきの強い元閣僚ではこれまで、ジウマ氏の官房長官時代の部下で後任のエレニセ・ゲーラ元官房長官、大統領選キャンペーンのリーダー格で第2期政権の大統領府社会通信局長官のエジーニョ・シウヴァ氏、ギド・マンテガ元財務相、官房長官や教育相をつとめたアロイージオ・メルカダンテ氏などが、なんらかの形で連邦警察の捜査対象となっている。
現在行われている上院でのジウマ大統領罷免審議は連邦政府の粉飾会計や財政責任法違反に関する疑惑を問うものだが、自身の政権の中でより近いと目されていた閣僚たちが次々に疑惑の対象となれば、ジウマ氏自身の罷免審議にも影響を与えかねない。
今回の「クスタ・ブラジル」が企画省での汚職に焦点を当てていることでもわかるように、LJはペトロブラス内の大型汚職(ペトロロン)に限らず、複数の汚職事件の捜査を並行して行っている。その一例はアングラ3発電所建設に伴う電力公社エレトロブラスの疑惑で、中央電力公団(Furnas)と民間企業との契約疑惑、ベロ・モンテ水力発電建設に関する贈収賄疑惑、14年のサッカーW杯のスタジアム建設の際のOAS社と社会経済開発銀行(BNDES)と間の融資を巡る疑惑などが存在する。
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