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サンパウロ市モノレール=建設半ば民営化に方針変更=期限遅れ、僅か2駅の惨状

 サンパウロ市東部に建設中のモノレール、15号線(シルバー)は総距離26・6キロの計画だが、14年8月に2駅2・9キロ区間が完成した後は、未だに建設中か計画凍結状態となっており、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事(民主運動党・PMDB)は、建設、運営を民間企業に引き渡す事を決定したと24日付エスタード紙が報じた。
 これにより15号線は、ViaQuatro社が営業している地下鉄4号線と、Move―SP社に建設と営業が委託されている地下鉄6号線に次ぐ、私営線となる。
 14年開業の15号線はサンパウロ州初のモノレール路線で、度重なる完成の遅れ(12年完成の予定が15年に延び、今は目処すら立っていない)と建設費高騰(既に当初予算を3億レ超過)に苦しんでいる。現在の営業区間はオラトリオ~ヴィラ・プルデンテ駅間のみだ。
 進行中の第2期工事は18年までに10・1キロ、8駅延伸してサンマテウス駅まで到達する予定だが、この区間も民間委託が検討されている。市極東部のシダーデ・チラデンチス駅まで伸ばす第3期計画は、資金不足で凍結中だ。
 現在の15号線は不採算ラインで、公費の投入がなければ維持できないが、サンパウロ州財政は15年、サンパウロ市メトロへの補助金を払いきれず、6600万レの負債を抱えた状況に陥っている。
 そのため、サンパウロ州政府は今後も、計画段階の地下鉄やサンパウロ州都電公社線(CPTM)の民営化を進めようとしている。