サンパウロ市東部のシダーデ・チラデンチス区で25日午後10時半頃、11歳のヴァウジッキ・ガブリエル・シウヴァ・シャーガス君が市警備隊(GCM)に射殺されたと27日付伯字各紙が報じた。
発砲したとされるGCMのカイオ・ムラトーリ容疑者は、過失致死の現行犯で書類送検された。同氏は保釈金を払い、自由の身で捜査を受ける。
この種の事件は、2日に起きた軍警による10歳のイタロ君射殺以来、6月だけで2度目だ。
事件には3人のGCMが関わっていた。調べに対し3人は、「バイクに2人乗りした男たちから『銀色のシェベッテ(乗用車)に乗った泥棒の集団に盗難被害にあった』との通報を受けた」と語った。
GCMは程なく不審な車を発見、停車命令に従わなかったので、追跡を始めた。その後「車内から発砲してきた」と供述している。
ムラトーリ容疑者は同車に向かって4発発砲、後部ガラスとタイヤ1本に命中したため、車はレグレッソ・フェリス街で停車し、車から2人が逃走した。その後、後部座席から、首筋を撃たれ負傷した少年が発見され、すぐに救急外来に運ばれたが、死亡した。
乗り捨てられた車は鑑識に回された。鑑識によると、車の外部から内部への発砲があったこと、窓ガラスは閉じていた事が確認され、車内からの発砲を示す証拠はなかった。逃走した泥棒が使ったとされる銃は発見されていない。
サンパウロ市は文書で「厳正な捜査を命じた。事件に関わったGCM達は業務から外れる」と発表した。
サンパウロ州人権保護審議会(Condepe)で同件を担当する弁護士のアリエル・デ・カストロ・アウベス氏は、「短期間の内に警察による少年殺害が2件も立て続きに起きた事はとても気がかりだ」とし、「発端となった盗難被害者も見つかっていない。泥棒が使用したとされる銃も見つからず、銃撃戦があった証拠もないことから、証言は疑わしい」と語る。
フェルナンド・ハダジサンパウロ市長は27日朝、ラジオ局のインタビューに「GCMの行動は誤りだった」と答えた。
少年の母オルランダ・コレイア・シウヴァさん(47)は、遺体検死を行っているアルトゥル・アウヴィンの法医学研究所(IML)前で取材に応じ、「息子が死んだ事がまだ信じられない。年端も行かない子供を撃つなんて」と嘆いた。
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