27日、上院のジウマ大統領(労働者党・PT)の罷免特別委員会に提出された監査人の鑑定書は、同大統領は議会の承認を得ずに大統領令で支出増加を決めた事実を認めたが、粉飾会計への直接の関与は認められないとしたと、28日付伯字各紙が報じた。
大統領令による支出増加と粉飾会計は、ジウマ大統領罷免派の主要な根拠となるものだ。
鑑定書は224ページに及び、罷免賛成派、反対派両者から出た99の質問に答える形で構成されている。
ジウマ大統領派、罷免派はそれぞれ、自身の主張に都合の良い部分を使い、成果を喧伝した。
「これで罷免派の論拠は崩れた」と語るのはヴァネッサ・グラツィオチン上議(共産党・PCdoB)だ。これに対し、民主社会党(PSDB)上院リーダーのカッシオ・クーニャ・リマ上議は「この鑑定書はジウマ大統領追及に有用だ」と語る。
ジエゴ・ブランジーノ・アウヴェス氏、ジョアン・エンリケ・ペデリヴァ氏、フェルナンド・アウヴァレス・レオン・リンコン氏の3人の監査人の署名入り鑑定書は、罷免審理の判断材料として使われる。
この鑑定はジウマ支持派が要請したもので、罷免支持派が一旦退けたが、罷免審理に関する最終責任者のリカルド・レヴァンドフスキ最高裁判事の指示で実施された。
監査人らはジウマ大統領が出した、新たな融資開放に関する大統領令6件中4件を分析し、四つの内三つは明らかに連邦予算基本法(LDO)などで定めた枠を超えており、財政責任法に違反していると判断した。「ジウマ大統領の署名が入っており、大統領令の作成過程も含め、同大統領が主体的に関わった事は明らか」と語る。
粉飾会計に関しては、「証拠を精査した結果、農業支援計画の『プラノ・サフラ』との関連で生じた、連邦政府からブラジル銀行への支払い遅延35億レアル分については、ジウマ大統領が影響力を行使した事実は認められなかった」という。だが、同計画での支払い遅延は、法律上禁じられている公的銀行から国庫への融資に相当し、財政責任法に抵触すると明記している。
ウンベルト・コスタ上議(PT)は「そもそも罷免派の論拠は根拠に乏しかった。鑑定書によって、粉飾会計疑惑は、大統領を失脚させるための口実に過ぎない事がはっきりした」と語る。
カッシオ・クーニャ・リマ上議(PSDB)も「追加予算解禁の大統領令を出した事が証明されれば大統領の責任は明らかだ」とし、反論する。
今回提出された鑑定書に関する質問への回答期間は7月1日までとなっており、最終的な鑑定書は4日に提出となる。また、6日にはジウマ氏の供述も予定されている。
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