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警察らの射殺事件立て続け=6年で2788人が犠牲に

 【既報関連】27日未明にサンパウロ市東部で起きた車の追跡劇で被弾し、ヴィラ・アウピナの病院に入院していた学生のジュリオ・セーザル・アウヴェス・エスピノザさん(24)の脳死が28日早朝、確認されたと28日付各紙サイトが報じた。
 ジュリオさんはサンカエタノ・ド・スル市(サ市)のブフェでの仕事を終えて帰宅中、サンパウロ市東部の大通りで軍警から停止命令を受けたが逃げたため、軍警とサ市警備隊(GCM)の追跡を受けた。ジュリオさんがサンパウロ市ヴィラ・プルデンシアで事故を起こして停車したが、この時点で車内から発砲があったとし、軍警らが応戦。ジュリオさんは頭に被弾して病院に運ばれたが、28日に脳死が確認された。
 軍警とGCMは、市警に38口径の銃と白い粉末を提出。車に残る16発の弾痕は銃撃の激しさを物語るが、ジュリオさんの手や車中の硝煙反応の有無は未発表だ。
 サンパウロ市では2日に10歳の少年、25日にも11歳の少年が車での追跡劇中に発砲を受けたとする治安関係者の銃で被弾、死亡したばかりだ。
 11歳少年は12歳と14歳の少年と共に盗難車に乗っていたが、サンパウロ市東部シダーデ・チラデンテスでの追跡中、GCMが放った弾で死亡した。少年達は、武器は持っておらず、停止命令や射撃開始を告げる言葉も受けていないという。
 28日付伯字紙は、GCM3人中2人は追跡中の車からの発砲には気づかなかったと報道しており、鑑識も外からの弾痕のみを確認。車の窓は閉まっており、車窃盗犯が未成年者である事も確認せず、発砲に及んだ可能性を暗示している。
 同地区では24日にも車の追跡劇があり、車を降りて雑木林に逃げ込んだ15歳の少年が軍警に射殺されている。
 28日付エスタード紙によると、ここ6年間に治安関係者が抗争中に殺したという犯人や容疑者の数は2788人。内191人は16歳以下の少年で、毎月2人の少年が治安関係者によって殺された計算となる。