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フェルナンド・ハダジ聖市市長(Wilson Dias/Agência Brasil)
フェルナンド・ハダジ聖市市長(Wilson Dias/Agência Brasil)

LJ=ハダジサンパウロ市選挙にも疑惑=AG社理事が報奨付証言で暴露=PTが負債援助を企業に依頼か=支払先はサンターナ容疑者

 ラヴァ・ジャット作戦の報奨付供述で、労働者党(PT)が12年のサンパウロ市市長選で、フェルナンド・ハダジ現市長のキャンペーンの借金3千万レアルの肩代わりを六つの企業に依頼したことが暴露された。29日付エスタード紙が報じている。

 この供述は、LJの疑惑企業のひとつ、アンドラーデ・グチエレス(以下、AG社)の元理事、フラーヴィオ・ゴメス・マシャド・フィーリョ被告が、2月25日にブラジリアの連邦検察庁で行ったものだ。
 同被告によると「AG社は2013年に、PTの中央会計だったジョアン・ヴァカリ・ネット氏(LJ被告)を通じて、ハダジ氏の市長選キャンペーンの借金の肩代わりを頼まれた」という。
 マシャド被告は更に、「PTは同キャンペーンで3千万レアルの負債があり、その他5社と共に500万レアルずつを支払ってほしいとのことだった」と供述した。
 ハダジ氏のキャンペーンでの負債の支払いについて報奨付供述で語られたのは初めてではない。大手企業で最初に報奨付供述をはじめたUTCエンジェニャリアのリカルド・ペッソア被告も昨年、240万レアルを支払ったと供述している。
 サンパウロ市市長選でのハダジ陣営の負債は一時、2900万レアルに達していたとされる。選挙地裁への会計報告は収入4200万レアル、支出6700万レアルで、「2500万レアルの赤字」という形で行われたようだ。
 これらの支出には、選挙キャンペーンの参謀役だったジョアン・サンターナ氏の企業との契約金3千万レアルが含まれていたとされている。
 マシャド氏はその供述の中で、ヴァカリ被告が支払いはサンターナ氏に行うように指示し、サンターナ氏の妻、モニカ・モウラ氏の連絡先を紹介されたという。マシャド氏はその後、モニカ氏と電話で連絡を取り、リオのカフェで打ち合わせを行ったが、モニカ氏はその際、「お金は国外の口座に払ってもらえれば」と言ったという。マシャド氏自身は、3千万レアルがキャンペーン全体の負債なのか、サンターナ氏に対する負債なのかは知らないという。
 サンターナ氏とモニカ氏は今年2月、14年のジウマ大統領の選挙キャンペーンなどでの収賄容疑で逮捕された。その際、サンターナ氏夫妻がスイスに「シェルビル」という名のオフショア名義の秘密口座を持っていたことも発覚している。
 マシャド氏によると、AG社はその後の会議で依頼された金の肩代わりは行わないことを決めたという。マシャド氏は「ハダジ氏自身は金を要求していない。裏でこうしたことが行われていたことを同氏が知っていたか否かまではわからない」と語っている。