ジウマ大統領に罷免請求を出した弁護士として有名なジャナイーナ・パスコアル氏が6月29日、ブラジリアの空港で熱烈なジウマ支持者から罵声を浴びる一幕があった。
現在、上院の罷免特別委員会ではジウマ大統領の罷免審議が行われている最中で、審議の土台となったジウマ氏の連邦政府の粉飾会計疑惑を基にした罷免請求を作ったひとりとして、ジャナイーナ氏もブラジリアの議事堂に赴き、委員会での審議に参加している。
罷免請求を作った弁護士は3人いるが、ジャナイーナ氏はその中でもひときわ有名な存在だ。それは彼女が、正義感の強さのあまり、感情的になりがちで、気持ちが高まりすぎるとかなりの血相と大きな声で自らの主張を展開するためだ。
あるときは、招聘されたイベントでマイクを向けられ、長い髪を振り乱して、着ていた上着を振り回すパフォーマンスまで披露。その姿がネットの冗談画像や動画などでも使われたため、ジウマ罷免派にとってはヒロインとなり、親ジウマ派にとっては悪者になっている。
ジャナイーナ氏はこの日、ブラジリアからサンパウロへ向かおうとしていたが、他の乗客らと共に列に並ぶ彼女をある集団がとり囲み、「ゴルピスタ!(クーデター扇動者)」の罵声を浴びせはじめた。
彼女に罵声を浴びせていたのは、南マット・グロッソ州やセアラー州の教育関係者の集団だと思われている。
いつもはその剣幕で周囲を圧倒しているジャナイーナ氏だが、「ゴルピスタめ、ファシスタめ!ここを通させないぞ」と叫び続ける集団の前では困惑した顔を見せるだけで、言い返すことなく、周囲の人が促すままに列の彼方に姿を消した。
これもまた、ジウマ大統領罷免に関するブラジル内の対立の縮図だ。(30日付フォーリャ紙サイトなどより)