連邦検察庁ゴイアニア州支局(MPF―GO)と連邦警察は、6月30日朝、ブラジルを縦・横断する鉄道建設に関する汚職を摘発する「周期作戦」を敢行したと同日付G1サイトなどが報じた。
同日は44の家宅捜索押収令状と、14の強制出頭令状が出され、ゴイアニア州、リオ州、サンパウロ州、連邦直轄区、ミナス州、セアラー州、パラナ州、バイーア州、エスピリト・サント州で作戦が実行された。
今回の作戦の目的は、鉄道建設を請け負った業者やその幹部が、カルテルや不正入札、運輸省傘下の公社Valecの元理事らへの贈収賄を行った証拠を発見することだ。これらの不正は、建設大手のカマルゴ・コレア社がラヴァ・ジャット作戦で行った報奨付供述で明らかになった。
MPF―GOは5月15日、今年2月に開始した捜査「受取人作戦」で鉄道建設におけるカルテルや贈収賄、公金横領、マネーロンダリングに関与した疑いが生じた人物8人を起訴した。今回の作戦は同捜査の一環だ。
06年~11年の汚職額はゴイアニア州だけで6億レに上ると見られ、MPF―GOは不当な利益返済を求めている。
エリオ・テーリョ連邦検事は当時、請負業者8社が密約を結び、公正な競売を装い、入札結果を操作した疑いがあると語っていた。
2月の「受取人作戦」では、すでに10の訴訟が起こされ、合計37の個人や企業を対象とした訴訟手続きが進められている。また、国庫への償還のため、1億3600万レ分の口座や資産が凍結されている。
MPF―GOによると、カマルゴ・コレア社は7億レを国庫に対して返済する事を約束した。内7500万レはValec関連の汚職での損害賠償にあてられる。
南北鉄道は、工事開始から約25年後の14年5月22日に、ゴイアニア州パルマス~アナポリス間の855キロの区間が開通した。しかし、最初の列車運行は15年12月まで遅れた。Valecは工事が遅れ、どれほどの工費が費やされたか正確な算定は不能だという。摘発時の工費推定額は800万ドル(当時の相場で2500万レ)と発表された。
MPFは11月、ゴイアス州内の南北鉄道建設で水増し請求を行った疑いで8人を起訴した。被疑者全員は横領罪に問われており、有罪となれば最大で12年の懲役となる可能性がある。
Valecの試算によると、運行の遅れなどで生じた貨物の損失や、徴収しそびれた輸送費や税金などの総額は年380億レに達する。