サンパウロ州内陸部のボイツーバで6月29日、落下傘(パラシュート)全国センター(CNP)の小型機で落下訓練を行っていた男性2人が空中で衝突して亡くなるという事故が起きたと6月30日付G1サイトが報じた。
市警のカルロス・アントニオ・ヌーネス警部によると、死亡したのは、サンパウロ市在住のマルコス・ギリェルメ・パジーリャ氏(47)とグスタヴォ・コレア・ガルセス氏(39)だ。二人を含むパイロット約30人は当日午後4時半頃、CNPを飛び立ち、リオ五輪開会式で披露するプレゼンテーションの練習を行っていたという。
参加者の一人は、集まったのはベテランばかりで、空中に五輪の輪を描く練習をしていたと証言した。二人は空中で衝突したといい、警察は、衝突の際パラシュートが絡み合い、浮力を失った二人が揃って落下したと見ている。
現場に駆けつけた救助隊員によると、二人の内1人は心停止の状態で、もう1人も意識がなかったという。二人は同市内の病院に運ばれたが、助からなかった。遺体はイタペチニンガ市の法医学研究所に運ばれた後、遺族に引き渡された。
一方、リオ五輪委員会は、五輪開会式のプログラムに落下傘を使うプレゼンテーションはなく、今回の事故は五輪とは無関係と発表した。
また、CNP関係者の1人も、練習は五輪のためではなく、11月に開かれる大会で新記録を樹立するためのものだったと供述している。
パジーリャ氏の遺体は1日にイタペセリカ・ダ・セーラの墓地に埋葬される。ガルセス氏の遺体は火葬に伏される。
ガルセス氏は15年以上の飛行経験者で、ブラジルや南米で何度も表彰されたベテランだ。大勢で組んだ飛行経験も豊富な人だったため、関係者からは彼らの死を悼む声と共に、何故こんな事故がと問う声が上がっている。