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琴で開演、長崎龍踊りで終幕=コロニア芸能祭が満員御礼

フィナーレを飾った龍踊り

フィナーレを飾った龍踊り

 ブラジル日本文化福祉協会(呉屋春美会長)主催の『第51回コロニア芸能祭』が25、26の両日、文協大講堂で開催された。2日間で計134の演目に約680人が出演。伝統の日本舞踊や太鼓、カラオケなどで二日合計約3500人を魅了した。
 両日とも琴が幕開けを飾った。特に二日目は琴、尺八と声楽で「長城の賦」を披露し豪華な幕開けとなった。舞踊では藤間流やACAL(リベルダーデ文化福祉協会)、玉城流による琉球舞踊が披露された。
 ベテラン以外にも若者が元気に踊るヨサコイや、若手民謡家による「グルッポ民」の津軽じょんがら節、舞踊グループ「優美」による美技が観客を魅了。初日のフィナーレを務めた琉球国祭太鼓や、レキオス芸能同好会によるエイサー太鼓も会場を盛り上げた。
 川添敏江さん率いるブラジル健康体操の演目では、来場客と共に健康体操を踊り、座り続けていた参加型演目として好評だった。会場は笑顔に包まれ、非日系の観客も「キ・グラッサ!」と体操を楽しんだ様子だった。
 毎年芸能祭に来ているという二世の70代女性二人は、「色んな芸能が見られるので毎年来ている。土曜には演目のため舞台に上がったが、とても緊張。でもやっぱり楽しい」と笑った。

琴の演奏で幕開け

琴の演奏で幕開け

 県人会からも北海道はまなす会舞踊部、鳥取しゃんしゃん傘踊りなどがコロニア最大の晴れ舞台に立った。特に長崎は同祭フィナーレに、母県から寄贈された龍踊りを披露。皿踊りとともに郷土芸能で締め括った。
 9分間もの迫力の演技を終え、踊り手である龍衆が舞台に並ぶと、会場は割れんばかりの拍手であふれ、大団円らしい盛り上がりとなった。
 楠本留巳芸能祭実行委員長は、「イタペセリカ文協牧山栄治会長、イタペセリカ太鼓リーダーの今村浩三さんを先頭に、龍衆をしてくれた皆さん、長崎県人会婦人部、その他皆さんの尽力に深く感謝」と成功を喜んだ。


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 多くの観客で盛り上がった芸能祭。観客、演者ともに日系人がほとんどで、日本文化が大事にされているかを感じられた。だが、ふと床を見るとゴミが色んな所に散らばっている。祭りや発表会などの告知で来社する方々から「日本文化の継承」という言葉をほぼ全員から聞くが、日本文化の継承は、芸能だけではなく生活面でも大事では。14年度のワールドカップで称賛された日本の掃除文化を日系人の間でも見たいところ。