サンパウロ州では自宅軟禁刑の囚人につける足首の電子リングが3カ月以上前から不足し、使用再開の目処も立っていないと4日付G1サイトが報じた。
例外的に使われているのは、5月に市警が契約した20個と、サンパウロ州連邦裁判所に貸し出された2個のみだ。電子リングは民間企業によって製造、制御されており、当局が新たに購入する際は入札が必要だ。契約終了後のリングは回収される。
電子リングを装着しての自宅軟禁は、無期限拘留逮捕の際の選択肢の一つだ。リングをつけた受刑者らはレーダーで所在地を監視され、特定の人物や場所への接近も禁止される。パスポートも没収され、他の刑罰と同時に科される事もある。
電子リングの不足により、6月29日に元企画相のパウロ・ベルナルド氏の釈放を発表したパウロ・ブエノ・デアゼベド連邦判事は、検察庁の要求する、電子リング着用後、自宅軟禁で監視するべきとの訴えを退けた。ベルナルド氏は電子リングを装着せずに、連邦警察本部を後にした。
電子リングの不足はリオ州でも起きており、6月30日に行われた連警の「サケアドール(引き出し者)作戦」による逮捕者で、1日に自宅軟禁に切り替えられた容疑者5人は当面、バングーの刑務所に留め置かれることになった。同作戦は公金3億7千万レアルを横領した容疑に関するもので、5人の容疑者には、賭博師のカルロス・アウグスト・ラモスことカルリーニョス・カショエイラらも含まれている。
「電子リングの装着費用は高い。サンパウロ市では、リングの使用は、昼間の外出が認められ、夜間は刑務所で過ごす囚人たちの管理用に使われ始めた。入札は終了したが、実際に購入するためのプロセスは更新されなかった」というのは、ブラジル弁護士会(OAB)犯罪・刑務所政策委員会会長でサンパウロ州刑務所評議会副会長のアドリアーナ・メロ・ヌネス・マルトレッリ氏だ。
専門家の評価では電子リング装着の上の自宅軟禁処分は、一部の犯罪者は処罰されずに日常生活を続けているという一般社会の疑問に答える意味でも、犯罪防止の面からも有効と見ている。