サッカー南米クラブナンバーワンを決めるリベルタドーレス杯の準決勝第1戦が6日、サンパウロ市西部のモルンビー競技場で行われ、サンパウロFCと、コロンビアのメデジンに本拠を置く、アトレティコ・ナシオナル(AN)が対戦した。
6万1766人と、今年のブラジルで行われた試合の中で最大観客動員数を記録した試合は、少なくとも前半は、地元の利を活かしたサンパウロFCが攻勢だった。
元セレソンのミシェル・バストスが司令塔のガンソを欠く攻撃陣を牽引、惜しいシュートを放つも、ANのキーパー、アルマーニが好守で得点を阻んだ。
第2戦を地元で戦えるANは、前半こそ引き分け狙いともとれる慎重な試合運びを見せたが、後半からはセンターフォワード、ボルハへの縦パスで基点をつくり、攻勢をかけた。
試合の行方を大きく左右したのは後半20分、サンパウロFCの守りの要、センターバックのマイコンがボルハとの小競り合いで顔に手をかけ、ボルハが大げさに転倒したことだった。これにより、マイコンはレッドカードで一発退場になった。
互いに同じフォーメーションでマークも噛み合い、こう着状態だった試合は徐々にANが優勢となり、後半36分と46分にボルハが続けて得点した結果、ANが2―0で勝利を収めた。
舞台をメデジンに移して行われる第2戦は13日で、サンパウロFCは決勝進出のためには3点差以上の勝利か、3―1、4―2など、3点以上取っての2点差での勝利が求められる。サンパウロが2―0で勝った場合、決着はPK戦にゆだねられる。
試合の結果以上に残念だったのは、試合後、敗戦にいらだつ一部の過激なファンが暴徒化し、警備の警察と衝突したことだ。
鎮圧にあたったルイス・ゴンザーガ・デ・オリヴェイラ・ジュニオール大佐は、騒動は暴徒が売り子や普通のファンから盗みを働いたことが発端とし、「彼らは関係ない人たちに蹴りかかり、ガラス瓶を投げ、集団窃盗を行った。軍警が介入した時点でも、石、ガラス、爆竹を投げ、攻撃してきた」と語る。
軍警は催涙ガス弾、ゴム弾を発射して応戦。深夜12時を過ぎたスタジアム周辺は騒然となった。騒動が治まったのは1時過ぎで、この騒ぎでファン、警官あわせて少なくとも18人が負傷。過激なファン10人が警察に連行されたが、7日の午前中に全員が釈放された。(7日付G1サイトなどより)