ホーム | 日系社会ニュース | 来たれ、大志抱く日伯柔道家=サンパウロ市石井道場が選手宿舎を新設

来たれ、大志抱く日伯柔道家=サンパウロ市石井道場が選手宿舎を新設

目新しくなった寝室

目新しくなった寝室

笑顔の石井さん

笑顔の石井さん

 ブラジル柔道界初の五輪メダリスト、石井千秋さん(74、栃木)の運営するサンパウロ市の石井道場(Av. Pompeia, 1466)がこのたび内装リフォームを終え、選手用宿舎を設営した。目新しくなった室内で石井さんは、全伯各地しいては日本からも出稽古に訪れるよう、利用促進を呼びかけている。
 およそ半年の工事を済ませ、遠方の選手が寝泊りできるよう3部屋に計10人分のベッドを設置。朝食をとるためのサロンも新設した。これまではマッサージ師らに店舗として貸していた場所だったが、昨年の内に解約し6万レアルをかけ改修した。
 「これまでコロニア、ブラジル柔道界には大変お世話になった。とにかく恩返しがしたい」と石井さん。かつて石井塾として知られたこの道場も、1972年ミュンヘン五輪で銅メダルを手に帰国した後、柔道や相撲仲間10人が約2000万円もの資金を出し建設したものだ。
 基本料金は一泊40レと設定。改修後の受け入れ第一弾として早速今月には、アマパー州など遠方から短期合宿のため選手らが訪れる。石井さんは自身の著書「ブラジル柔道のパイオニア」のポ語版販売もかねて、全伯各地で講演活動を展開しており、そうした縁から今回の受け入れにつながった。
 「私の経験や指導を求め、地方からも来たいという声があった。それに応えないといけないと思った」と、柔道界のさらなる強化、普及を願っている。「柔道家であれば日本からでも大歓迎。最近は団体訪伯もないが、大いに活用してほしい」と呼びかけている。
 約300平米の石井道場には現在、ちびっ子や4、50代を中心に100人ほどの生徒が通う。過去には五輪選手も輩出しており、現在は30歳以上が対象となるマスターズ大会の選手育成に重点を置いている。
 宿泊や入門の問い合わせは石井道場(11・3673・0161/97974・6007)まで。