リオ五輪開幕まで残りひと月を切り、8月5日の開会式で点火される聖火リレーもたけなわだ。
〃オール・ブラジル〃を強調するためにブラジル全州をまわる聖火リレーだが、これまでにいくつかハプニングも起きている。
聖火リレーにまつわる最初のドタバタ劇は中部のゴイアス州で起こった。車椅子のバスケ選手としてリレーに参加していた選手が、転倒した際にすっくと立ち、障がいが嘘であることがバレてしまった。その後彼は虚偽を認めた。
最もショッキングで、世界に広まったニュースは、アマゾンの森がある、アマゾニア州都マナウスでのジャガー射殺事件だ。走者間で聖火を受け渡すイベントは、鎖につながれたジャガーの目の前で行われた。その直後、火を見て興奮したのか、檻に入れようとした際にジャガーが逃げ出した上、獣医に襲いかかろうとしたため、軍兵士に射殺されてしまった。
野生動物をリレーに使ったことに世界から非難が集り、主催者も今後動物は使わないとしたにも関わらず、今度は聖火がイルカのすぐ近くに近づけられた。見栄えを良くするためだけに火でイルカがおびき寄せられたとされている。
聖火リレーで使われたトーチは、たとえランナーであっても基本的に2000レアル払って購入しなくてはならない。
しかしそのトーチがインターネットオークションサイトで、5万レアルで販売されていた。このトーチは盗難で流出したと見られている。
愉快犯政治犯を問わず、聖火を消そうと試みる人物も出ている。最初にそれが起きたのはマット・グロッソ州で、バケツの水をかけて消そうとした男は、遠すぎて失敗して逮捕された。
パラナ州では消火器を使って消そうとする人物が現れたが、その試みは失敗した。同州ではテメル暫定政権反対集会の近くを通った際にも、女性がポスターで火を消そうと試みたという。
最近では、7日未明に聖火リレーを中継する機材を積んだ車が盗難に遭った。怪我人などは出なかったが、公式映像の記録カードも盗まれ、数日間リレーの中継が出来なくなったという。
聖火がリオに近づくにつれて、気になるのは最終点火ランナーは誰になるのか? ということだ。最近3度目結婚を発表したペレが有力だが、果たして…。(7日付エスタード紙電子版より)