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7日のクーニャ氏(Marcelo Camargo/Agência Brasil)
7日のクーニャ氏(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

クーニャ=電撃辞任後はどうなる?=目的は議員罷免阻止か=後任の下院議長は誰の手に=一安心のテメル大統領代行

 7日に電撃辞任したエドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)をめぐり、辞任の憶測や、今後の後任選びなどの声がにぎやかになっている。8日付伯字紙が報じている。

 クーニャ氏は辞表提出後、最高裁が5月に停職処分を下した後の下院の混乱を辞任の理由にあげていたが、メディアではもっぱら「議員罷免処分を避けるため」の見方が有力だ。
 同氏は6月の下院倫理委員会での「議員罷免が妥当」との判断を受け、8月の下院本会議で罷免か否かの投票にかけられる見通しだった。
 だが、同件に関しては辞意表明前にクーニャ派議員が下院憲政委員会に異議申し立てをしていた上、クーニャ氏も7日、議長辞任で立場が変わったとの理由で、罷免手続きの見直しを求めた。一部では、憲政委員会委員長が倫理委員会に差し戻し、「議員罷免」について再考を促す目論見と見ている。
 また、議長辞任によってクーニャ氏は一般の議員と同じ扱いとなり、ラヴァ・ジャット作戦に関する最高裁の扱いも、判事11人全員での全体審理ではなく、「第2班」と呼ばれる5人の判事での判断となる。
 他方、12日か14日に行われる予定の下院議長選には、フォーリャ紙で12人、エスタード紙では14人が出馬の意向を表明しているという。
 フォーリャ紙によれば、有力視されているのは、社会民主党(PSD)のロジェリオ・ロッソ氏、PMDBのオスマール・セラグリオ氏とバレイア・ロッシ氏、共和党(PR)のフェルナンド・ジアコボ氏、ブラジル共和党(PRB)のベット・マンスール氏の5人だ。
 とりわけ、下院の罷免委員会委員長もつとめたロッソ氏を有力視する声が目立つ。それは同氏がクーニャ氏の会派「セントロン」の議員で、クーニャ氏の支持も受けているからだ。
 下院内の政党勢力の視点で見ると、最大派閥はPMDBだが、セラグリオ氏とバレイア氏は、今回よりむしろ、次回の下院議長選に興味を示しているとフォーリャ紙は見ている。それは、今回議長に選ばれたとしても、その任期はクーニャ氏が本来つとめあげるはずだった17年1月31日までのわずか半年しかない上、任期が2年ある次回選挙への出馬資格がなくなるためだ。
 また、クーニャ氏の辞任に関し、ミシェル・テメル大統領代行は、同じPMDBの政治家ではありながらも「世界で最も素晴らしいことだ」と語った。それは、5月12日に代行就任以降、クーニャ氏の停職ゆえに下院がまとまらず、暫定政権が提出した大事な法案などの審議が滞りがちになっていたためだ。また、クーニャ氏の存在が暫定政権にとってマイナス・イメージになっていたことも否めなかった。