ミシェル・テメル大統領代行(民主運動党・PMDB)の経済政策班は7日、来年度の中央政府(国庫財務局と中銀、社会保障院)の基礎的収支目標を1390億レの赤字とすることを発表、財政の更なる悪化を防ぐ〃苦い薬〃として増税を行う可能性も示唆したと8日付伯字各紙が報じた。
メイレーレス財相は「概算によると、来年の赤字は1940億レだ」と語る。同財相はその内の250億レは公共事業の民営化や経営権委譲、資産売却などで削減が可能で、景気回復による税収増も300億レと見積もっている。同相の見解では、合計550億レの財政改善努力で、17年度の赤字を1390億レに押さえる事は可能だというが、経済の専門家はその試算は不透明だとしている。
政府の歳出削減計画の一部は「予算の調整はインフレ率を上限とする」とした憲法修正案(PEC)が議会を通るかによる。財相の言う公共事業民営化や経営権委譲、資産売却による250億レの改善努力も、その詳細は明かされていない。
景気回復の勢いが予想を下回り、歳入が予想した額に達しない場合は一時的な増税の可能性もあるが、それは大統領罷免手続きが完了し、来年度予算案提出期限でもある8月いっぱいまでの判断となる。
17年度予算に計上される見込みの赤字額(1390億レ)は、今年度容認された赤字額の1705億レ(同2・8%)を下回る。これは、17年度の赤字を1500億レ以内とすることを目指していた経済政策班にとり、一定の成果だ。
与党内には17年の赤字額は16年の現状維持を求める勢力が存在しており、エリゼウ・パジーリャ官房長官も17年の赤字限度を今年と同じ1705億レにすべきと唱えてきたが、今回の決定に賛成だと述べた。
増税の意志はあるのかないのかと食い下がる報道陣に対し、メイレーレス財相は「今はそのつもりはないが、期間限定の増税を行う可能性も完全には捨てていない。結論は8月だ」と述べた。
政府は社会保障院の赤字は拡大する一方で、16年の収支は1470億レの赤字の見込みだが、17年の赤字は1830億レになるとした。
政府はまた、18年の赤字は790億レ、19年は赤字ゼロとの試算を出している。メイレーレス財相は「景気回復ペースが強まれば、19年は黒字に持っていくことも可能だ」としている。