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ロドリゴ・マイア下議(Gustavo Lima/Câmara dos Deputado)
ロドリゴ・マイア下議(Gustavo Lima/Câmara dos Deputado)

下院議長選=PTがDEM候補を支持?=ルーラの鶴の一声で=政敵以上にセントロン憎し=関係者やテメルの反応は?

 エドゥアルド・クーニャ前下院議長(民主運動党・PMDB)の後任議長選挙は13日に行われるが、労働者党(PT)がルーラ元大統領の強い意向もあり、長年政敵だった民主党(DEM)のロドリゴ・マイア下議を推そうとしている仰天展開が明らかとなった。9日付エスタード紙が報じている。

 DEMは、前身の自由先進党(PFL)時代から常に、PTの最大の政敵である民主社会党(PSDB)と連立を組んできた党で、カルドーゾ政権(1995~02年)でも、連邦政府の主要な連立与党だった。
 もっともPTにせよ、党全体が政敵であるDEMの下議を推したいと考えている訳ではない。ルーラ氏がマイア氏を猛烈に押しているという。
 今回のルーラ氏の動きは、クーニャ氏が進歩党(PP)、共和党(PR)、社会民主津(PSD)、ブラジル労働党(PTB)、ブラジル共和党(PRB)の下議を中心に作った会派「セントロン」を敵対視しているためだ。ルーラ氏は、270人に及ぶ同会派故に、下院でのジウマ大統領罷免審議継続賛成が多数を占めたと見ている。
 ルーラ氏は、セントロン側の代表的候補で、11日に出馬を表明したロジェリオ・ロッソ下議(PSD)に対抗できるのはマイア氏しかいないと踏んでいる。
 PT内の多数派派閥はルーラ氏の意向を汲み、現在もPTと連立関係にあるブラジル共産党(PCdoB)や民主労働党(PDT)と組んでマイア氏を推し、さらにブラジル社会党(PSB)も誘いたいとしている。
 ただ、マイア氏本人がジウマ大統領の罷免投票の際に賛成票を投じていることもあり、PTや連立党の間に難色を示す声が強いことも確かだ。
 テメル暫定政権側は、ルーラ氏の動きを歓迎していない。テメル大統領代行自身は、誰が就任するにせよ、連邦政府の要求を通しやすくしてくれる人物を欲している。テメル氏は、ジウマ大統領とクーニャ氏の間に起きたような確執によって、政府と議会が混乱することの二の舞を避けたいと考えている。
 一方、DEMのパートナーであるPSDBの党首、アエシオ・ネーヴェス上議は、今回の下院選挙で同党からの候補者を出さない方面を示している。それは任期が来年の1月31日までと短いためで、17年2月からの議長を選ぶ選挙に候補を出したいと考えている。
 また、アエシオ氏自身はクーニャ氏の議員罷免に賛成している立場のため、セントロンに協力する意向はなさそうだ。