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現金輸送会社襲撃はPCC=周到な準備、重要な資金源

 【既報関連】サンパウロ州市警が10日、3月14日と4月4日、7月5日に起きた現金輸送会社襲撃は州都第1コマンド(PCC)による事件で、被害額は1億3800万レと発表したと11日付エスタード紙が報じた。
 市警によると、3月に起きたカンピーナス市のProtege襲撃と、4月と7月に起きたサントス市とリベイロン・プレット市のProsegur襲撃は同一グループによる犯行だ。
 3月の事件の犯人から押収した手帳によれば、盗まれた4800万レは犯行グループの頭に200万レ、それ以外の実行犯に10万レずつ渡り、残りの3千万レはPCCの資金源になったとされている。サントスでは2500万レ、リベイロンでは6500万レが盗まれたが、金の配分方法は同様と見られている。
 PCCには、「ドノ・ド・トランポ」と呼ばれる情報収集や計画立案を行う班と、「クプラ」と呼ばれる計画実行班がある。クプラの中も、武器調達班や防弾車調達班、車を保管するための場所や爆発物を調達する班などに分かれている。計画成功時の報酬が最も大きいのはドノ・ド・トランポの頭で、その他のメンバーの分け前は小さい。
 PCCは装甲車やヘリなどに穴を開け得る機関銃などの重火器も使い、警察より重装備だ。3件目の事件に使われたと見られる15台の車の内7台は7日午後、隣接するジャルジノポリス市のサトウキビ畑で見つかり、機関銃や小銃の弾や弾の充填機も押収された。リベイロンの事件現場からは機関銃の弾約1千発分の薬莢が回収され、武力の大きさを示した。
 一連の犯行では警官との銃撃戦や車の焼き捨ても起きており、カンピーナス市では今も、現金輸送車通過時はパニックが起きる。サントスでは警官2人と路上生活者1人が、リベイロンでも警官1人と車焼き捨て時に人質とされて全身に大火傷を負った38歳の路上生活者が死亡した。