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■ひとマチ点描■ポ語で意味伝えるブラジル人僧侶

読経時の発音が書かれた赤い小冊子と、お経の意味がポ語で書かれた灰色の小冊子を持つ曹洞宗天随禅寺のソウザ孤圓師(69)

読経時の発音が書かれた赤い小冊子と、お経の意味がポ語で書かれた灰色の小冊子を持つ曹洞宗天随禅寺のソウザ孤圓師(69)

 沖縄県人会による先亡者慰霊法要があった6月12日、仏教を知らない若いブラジル人がある小冊子を開き、日系の友人に仏教用語について尋ねる光景が見られた。
 「いくら素晴らしい教えがあっても、伝わらなければ意味がない」。そんな思いから2004年、孤圓師が作成したオリジナルのポ語冊子だ。
 どの部分を唱えているかを分かりやすくするため、鐘を打つタイミングを表記。「観世音菩薩」を「Kanzeon Bodisativa」などと、固有名詞はお経の発音に近い語句で翻訳した。米国では「観世音菩薩」をサンスクリット語のまま「Avalokitesvara」と表記するのが一般的だという。
 こうした取り組みから、天随禅寺の座禅会などへ訪れる人は年間3千人を超える。信徒数に伸び悩む寺院は、このような工夫を取り入れてはどうだろうか。(石)