13日、下院で議長選が行われ、ロドリゴ・マイア下議(民主党・DEM)が決選投票でロジェリオ・ロッシ下議(社会民主党・PSD)を破って当選を果たした。エドゥアルド・クーニャ前議長(民主運動党・PMDB)の会派「セントロン」のロッシ氏が敗れたことで、クーニャ氏の議員罷免の可能性が強まった。14日付伯字紙が報じている。
今回の下院議長選はまず13人の候補の間で投票が行われ、120票を獲得したマイア氏と、106票を獲得したロッソ氏が決選投票に進んだ。
この時点では、まだロッソ氏の方に分があるように見えていた。それは同氏が210人の会派を誇るセントロンの最有力候補で、複数候補擁立で票割れしていたセントロンがまとまれば勝つと思われていたからだ。
さらに、ミシェル・テメル大統領代行に反旗を翻した、ジウマ政権時の保健相で一次投票で70票を獲得して3位のマルセロ・カストロ氏がロッソ氏支持を表明した。これもロッソ氏に有利に働くと見られていた。
だが、14日0時23分に発表された決選投票の結果は、マイア氏285票、ロッソ氏170票と、マイア氏の意外なまでの圧勝で終わった。
ロッソ氏の敗因は二つある。ひとつは、セントロン内の大型政党である進歩党(PP)下院リーダーのアギナルド・リベイロ氏がマイア氏支持を表明し、PPの議員たちの票がマイア氏に流れたことだ。
そして、もうひとつ大きかったのが、セントロンのせいでジウマ大統領が罷免に追い込まれているとして、セントロンに恨みを持っている労働者党(PT)をはじめとした新野党勢力が一斉にマイア氏に票を投じたことだ。マイア氏への投票は、ルーラ元大統領もかねてから望んでいたことだった。
マイア氏は、民主社会党(PSDB)とDEM、社会大衆党(PPS)の旧野党勢力にブラジル社会党(PSB)を加えた4党を基盤にしていたが、そこに前述の2勢力が加わっての勝利となった。
また、テメル大統領代行のPMDBは次回17年2月の議長選を本命で考えていることもあり、2人が出馬したものの一次投票で敗退。決選投票での支援者は各自の判断に任された。テメル氏としては、ジウマ氏の停職に伴う同大統領政権の崩壊を恨みに持つ勢力の票を集めると見られていたカストロ氏が一次投票で敗れたことが最大の収穫で、決選投票に進んだ候補者の名前を聞いた時点で「結果に満足」との声明を出していた。どちらが勝つにせよ、連邦政府には協力してくれるとの確信からだった。
マイア氏はクーニャ氏の罷免に賛成の意向を表明していることから、8月に行われる見込みの、ラヴァ・ジャット関与の責任を問われたクーニャ氏の罷免投票にも拍車がかかりそうだ。
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