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テロ防止のためにもFNには、まともな待遇が望まれる(Fernando Frazao/Agencia Brasil)
テロ防止のためにもFNには、まともな待遇が望まれる(Fernando Frazao/Agencia Brasil)

リオ五輪=テロの危機は現実的なもの=仏国当局で具体的情報出る=精鋭FNは待遇改善訴え

 仏軍軍事偵察局(DRM)局長のクリストフ・ゴマール将軍が、「リオ五輪・パラリンピック開催期間中のテロの脅威は現実味がある」と、仏国議会調査委員会(CPI)に対して語っていたと14日付エスタード紙が報じた。
 同将軍は「ブラジル人がイスラム国(IS)の名の元に仏選手団を襲うケースがありうる」と具体的に述べている。この証言は5月26日に、昨年1月と11月にパリで起きた襲撃事件を調査する同国国民議会(下院に相当)の委員会で行われたもので、今月12日に委員会の報告書の一部が公開されて明らかになった。
 同将軍は、DRMは独自の情報源から、ブラジル人のISメンバーがリオ五輪テロ計画を目論んでいたことを掴んだと語った。リオ五輪に関する証言記録は、同将軍の要望で削除されるはずだったが、それが手違いで残ってしまったという。
 公式文書には、ISの構成員でリオ五輪でのテロを計画していたとされる疑惑のブラジル人が逮捕されたのか、ブラジル内にいるのかさえも書かれていないという。
 国民議会の補佐官は、委員会内でブラジルに関する情報交換はあった事は認めたものの、詳細は明かせないと返答した。仏国当局は、保安上の理由により、リオ五輪関連のテロ計画に関する新情報は今後、一切明かされないとしている。
 同将軍の発言が公にされた後、国際五輪委(IOC)は、40万人もの不審者の前歴、経歴が五輪本番前に捜査された事と、ベルギー、仏国、米国の諜報機関もブラジルでの捜査に協力する事を公表した。IOCによると、大会時には、ブラジル人による警備・捜査要員8万5千人の他、55カ国から250人の警察官の協力があるとしている。
 一方、ブラジル人の警備・捜査要員中、警察や消防の〃精鋭部隊〃とされる国家治安部隊(FN)中、サンタカタリーナ州出身の軍警数十人が13日、「宿舎の状態が劣悪」と抗議し、派遣元に帰る事も辞さないと訴えた。
 隊員用宿舎には家具もなく、自費で買った空気マットや床で寝ているという。宿舎周辺には手ごろなレストランや交通機関もなく、外出どころか配備に就くにも不便だとしている。
 隊員の一人がインターネットに投稿した文章には、「これではまるで〃虐待〃だ。隊員の半分以上は除隊を考えている。ベッドもない、台所もない、シャワーを浴びる水も足りない。種々の手当ての支払いも遅れている」と書かれていた。