【既報関連】14日にフランス南部のニースで発生したテロ事件はブラジル人の犠牲者も出し、リオ五輪開催を目前に控えるブラジル当局に衝撃をもたらした。即刻、リオ五輪警備計画の厳重化が、セルジオ・エシェゴイェン大統領府安全保障局(GSI)長官により明言された。先週末からの一連の動きを16~18日付伯字各紙が報じた。
ニースの事件は、モハメド・ラフエジ・ブフレル容疑者(31)の運転する19トントラックがフランス革命記念日の花火の見物客に突っ込んで暴走したもので、同容疑者は警察に射殺された。これまでの死者は84人で、18人が依然として生死の境をさまよっている。その他にも29人が集中治療室に入っているが、命には別状はない。
84人の犠牲者の中にブラジル人女性エリザベッチ・クリスチーナ・デ・アッシス・リベイロさん(30)がいた事は、17日にフランス政府から外務省に通達された。
リオ市北部オラーリア出身のエリザベッチさんは、スイス人の夫と同国に住んでおり、ニースには観光に来ていた。二人の間には娘が3人おり、6歳のケイラちゃんも母親と共に亡くなった。4歳のジュリアちゃんと7カ月のキメアちゃんは父親に救出され、ニース市内の病院で加療中だ。
ニースでのテロ事件の翌日、伯当局は8月5日開幕のリオ五輪に向けた警備計画を見直す事を発表した。
エシェゴイェンGSI長官は「ニースの事件によって確実に警戒レベルは高まった。これまでの計画に穴がないか、より一層厳しく警備計画の見直しを行っている。ニースでの事件後も警備計画の見直しを行わないとしたら無責任の極みだ。フランスでトラックが凶器になるなどと誰が想像できただろう?」と語る。
テメル大統領代行は同長官の他に、アレシャンドレ・モラーエス法相、ラウル・ジュングマン国防相と会談を持ち、警備計画見直しを承認した。新警備計画は今週半ばまでに策定される。
リオ五輪警備に動員される軍人2万1845人は全員、今週からリオ市に到着し、来週には各々の配備も発表される。
なお、バーハ、コパカバーナ、マラカナン/エンジェニョンと並ぶ4大競技エリアの一つであるデオドーロ地区では15、16の両日、競技場近隣の鉄道駅でのテロ行為を想定した陸軍による銃を使った訓練が行われた。また、17日にはマラカナン競技場周辺の道路を封鎖し、開会式の警備予行訓練が行われた。