国際交流基金の招聘による日本の2人組ダンスユニット「Hilty&Bosch(ヒルティ・アンド・ボッシュ)」と、口で様々な楽器音を奏でるヒューマンビートボックス奏者のREATMO(リトモ)。第19回日本祭り(8~10日)に始まり、11日午後にはサンパウロ市内モンテ・アズールの青年たちと2時間に及ぶダンス交流、12日にはツアー最後となるMASPの公演を割れんばかりの拍手喝采で終えた。
世界各地で公演を行ってきたYOU(ユウ)さんとJIN(ジン)さんだが、ブラジルは初。
11日午後、モンテ・アズール住民協会文化センターで行われた交流会には、近隣の子どもや青年ら、60人ほどが集った。リモトさんが口で様々な楽器音を奏で、犬の鳴き声から有名な洋楽などを再現して会場を沸かせた。
「Hilty―」も3人の地元青年にダンスを指導。最後は全員で共演した。質疑応答ではたくさんの質問が寄せられ、即席サイン会で熱烈な歓迎に応えた。
翌日のMASP公演では、リトモさんが口で刻む楽器音と共に、それに呼応する形で二人組が圧巻のパフォーマンスを見せ、犬の鳴き真似をする場面では、観客席からは笑いの渦が巻き起こり、会場は熱狂。記念撮影では我先にと駆け寄り、会場が一体となった。
ユウさんは「陽気な国民性で盛り上がるのではという期待があった一方、初めての土地で楽しんでもらえるのかという不安も」という。ジンさんは「ブラジル人観客は話をきちんと聞いて、上手いタイミングで乗ってくれた。こちらとしても非常にやりやすかった」と手応えを感じたようだ。
会場からは「こんなに上手く観客を盛り上げる日本のグループを見たのは初めて」と賞賛の声も。リトモさんに秘訣を聞くと「技を高めることも重要だが、それよりもいかに観客の心を掴み、巻き込んだエンターテイメントにするか。その意味において、ユーモアを常に大事にしている」とのこと。
海外最大規模の県連日本祭での公演に関して、日系社会の印象を聞くと3人とも「日本で聞いていたよりも、想像以上の規模で驚いた」と率直に語り、「当地での日本人に対する敬意を強く感じた。ここまでの信頼を築いた先人たちに感謝したい」と感慨深げに語った。