人文研研究叢書第10号として『ブラジル日系美術史』(田中慎二著、宮尾進監修)が発刊されるのにあたり、21日午後6時からサンパウロ市文協ビル5階の県連会議室で出版記念会が行われる。入場無料。当日50レアルで頒布。
サンパウロ人文科学研究所(本山省三理事長)が移民百周年を記念して2002年から『人文研研究叢書』を始め、様々なジャンルやテーマ毎に日本移民や日系人の歴史的な経験、営為を掘り下げてきた。
同リリースには《ブラジルの百科事典の中で日系人の名前が一番多く記載されているのは日系の造形美術家たちだとも言われている。もともと農業移民として来た日本人の中の、その対極にあるような美術の世界に出た異端者ともいえる若者たちから始まる。そんな「聖美会」の誕生から、現代ブラジル美術界における発展までの道程を辿ったもの。本書は人文研元理事である田中慎二氏による貴重な労作》と位置づけられている。
田中慎二さんは1935年、福岡県生まれ。1955年、多摩美術大学図案科中退、ボリビア・サンファン移住地へ入植。1960年にパウリスタ新聞・編集部へ入社。1963年コチア組合機関紙『農業と協同』誌、コペラソン出版『ブラジルの農業』誌に勤務。著書には『文協五十年史』、『移民画家・半田知雄―その生涯』など。