ホーム | 日系社会ニュース | CKC=日系農協と進出企業の連携を=食品企業招き商談の場に=南米各国から過去最多70人
第1回日系農業者団体連携強化会議の参加者ら
第1回日系農業者団体連携強化会議の参加者ら

CKC=日系農協と進出企業の連携を=食品企業招き商談の場に=南米各国から過去最多70人

 中央開発コーポレーション(以下CKC、本社・東京)は12日、サンパウロ市の宮城県人会館で「第1回日系農業者団体連携強化会議」を行った。これは日本農林水産省による「中南米日系農業者連携交流委託事業」の一環で、来年度までの5年間実施されているもの。ブラジル各地を始めパラグアイ、ボリビア、アルゼンチンから過去最多の70人ほどが参加し、大まかな日程や方針を話し合った。

 CKC松尾有紀部長は開会挨拶で、「事業発足当初は農業ビジネスの連携強化、日本への農産物売り込みが目的だったが、中々難しいことがわかった。本年度は事業内容を変更し、ブラジルの農業ビジネスに興味がある日本の企業に参加や進出を求める形にする」と語った。ビジネス創出分野での交流は継続され、日本から農業や食品企業関係者を招き意見交換やセミナー、商談の場が設けられる。
 従来からあった「中核リーダー育成」「婦人交流を目的とする訪日研修」「南米でのリーダー研修」に加え、今年から「日系農業関係者技術向上研修」「農業・食料の付加価値向上研修」「農・食産業関係機関・団体の交流事業」などが増えたと発表された。
 当日は各事業の報告が行なわれ、質疑応答の時間が取られた。「急勾配の農地に対応できる農機を持つ日本会社と会合の場を取り持って欲しい」「交流・研修制度は日系人だけ、または年齢制限はあるか?」などの質問が寄せられた。
 日本への研修では漬物や抹茶の製造過程、家族農業でできる果物のドライ加工法が知りたいなど、日本の食品加工技術に関心を寄せる意見が多かった。
 今年の「南米婦人の集い」はサンパウロ州レジストロ市で10月16、17日に開催される。同地在住、協婦人部連合会(ADESC)の滝井孝子さん(72、北海道)は、「レジストロで町おこしとしてグリーン・ツーリズム(農産観光)を進め、それを核として周りの地域を盛り上げていきたい。この会合に出て、必ず成功させなければならないと思った」との意気込みを語った。
 会議全体についての質疑応答の際は、「会議というよりは発表会になっている。他の参加者との交流時間が少なく、農業ビジネス連携の機会もすくなくなってしまう」と交流時間増加を求める声も出ていた。