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PSDBの聖市長候補のジョアン・ドリア氏(Rafael Ribeiro/CBF)
PSDBの聖市長候補のジョアン・ドリア氏(Rafael Ribeiro/CBF)

サンパウロ市市長選=有力候補たちの戦略は?=テメルの支持欲しいマルタ=マタラゾとの共闘はあるか=PSDBの団結求めるドリア

 地方選のキャンペーン開始を来月に控え、サンパウロ市市長選の有力候補の動きが活発になってきている。20日付フォーリャ紙が報じている。

 サンパウロ市市長選での支持率は、現状では前回12年の一次選3位のセウソ・ルッソマノ下議(ブラジル共和党・PRB)の25%が最高だが、一次のみで当選が決まる50%の支持率には遠く及ばないため、「決選投票に進出できる2位以内にいかに滑り込むか」が重要なポイントとなる。
 労働者党(PT)時代にサンパウロ市市長を務め(2001~04年)、現在16%で2位につけているマルタ・スプリシー上議(民主運動党・PMDB)は、支持率で伸び悩むフェルナンド・ハダジ現市長(PT)の分のPT票も奪い、優位に立っているが、マルタ陣営は戦略として二つのことを望んでいる。
 一つは、決選投票でのミシェル・テメル大統領代行の支持取り付けだ。テメル氏は「一国の責任を負う立場だから」との理由で、特定の地方の候補を直接支援するのを避ける意向を打ち出しているが、その裏には、選挙キャンペーンがはじまる8月16日になってもまだジウマ大統領の罷免が決まらないことがある。同大統領の罷免審議のはじまりは、同月22日の週からと見られ、テメル氏としてもまだ動きがとりにくい。
 マルタ陣営は、社会民主党(PSD)の候補と見られているアンドレア・マタラゾサンパウロ市市議を副候補に迎えることも検討している。同市議は民主社会党(PSDB)の有力候補だったが、ジョアン・ドリア氏に敗れたため、PSDと組んで出馬する意向だが、現状の支持率が3%程度と伸び悩んでいる。マタラゾ氏はマルタ陣営からの提案に難色を示している。
 一方、現状5位の支持率(7%)ながら、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事のはからいで8党との連立が成功し、キャンペーンでの放送時間が他候補を圧倒している、PSDB候補のドリア氏も巻き返しを狙っている。
 ドリア陣営は、ここまでの出遅れを、PSDB内での候補者選出で意見が割れ、時間がかかったためと分析。そのため、今一度、党の足並みを揃えるため、PSDB内部から副候補を選びたいとしている。
 そこでドリア陣営が希望しているのがブルーノ・コーヴァス下議だ。同党設立者のひとりでサンパウロ州知事(1995~01年)も務めたマリオ・コーヴァス氏の孫という、党からの信頼の厚い一族を取り付けることで党をまとめたいドリア陣営だが、ブルーノ氏は党内での候補選出時に別の候補に投票している。
 なお、市長や市議の正式な候補選出と、各候補にかける選挙資金の枠組みは、20日から8月5日にかけて開かれる各政党の党大会で決められることになっている。