イスラム過激派と他の聖戦主義者グループが、通信アプリの「テレグラム」を用い、彼らの信者に「一匹狼」の形で、リオ五輪に参加する米国や英国、フランスとイスラエルの選手団、観光客への攻撃を促したことを、インターネット上のイスラム過激派の行動を監視する米国組織「サイト・インテリジェンス」が確認したと21日付エスタード紙が報じた。
同紙によると、攻撃手段として、ドローンや小型爆弾、交通事故、さらに毒薬物の使用にも言及しているという。
イスラム過激派は6月に、ブラジル民向け聖戦主義広報のポ語アカウントを「テレグラム」に登録した。以来、ブラジルで組織されたと見られる「カリフの軍(Ansaral-Khirafah Brazil、AKL)」が自分たちの行動を宣伝したりしている。
過激派側の文書作成者は、犯罪が多いリオ市内のファヴェーラを利用することや、「穴だらけの国境」を持つパラグアイを経由して武器を持ち込むことを提唱している。また、「リオ五輪期間の入国査証獲得は容易だ」という投稿もあった。
「サイト」はブラジル政府に、些細な脅威も無視せず、イスラム国(IS)や聖戦主義者の全ての動向を追うよう呼びかけた。「現代のテログループはソーシャルメディアを利用し、世界中の人にテロ行為を促す傾向が顕著で、直近2年間のテロ行為は全ての国がその危険から逃れられないことを示している」という。
「サイト」は、リオ五輪でのテロ行為への呼びかけは充分予想できたことで、ISや聖戦主義者にとって五輪という世界的なイベントは正当な理由のある標的となるという。1カ月前の米国のゲイバー射殺事件をはじめとする「一匹狼」のテロ行為は信者にテロ行為を促すものに他ならず、ブラジルへのテロも1人いれば充分と注意を喚起した。