労働者党(PT)選挙参謀として06~14年の大統領選等に参与し、ペトロブラス(PB)絡みの収賄容疑で今年2月に逮捕されたジョアン・サンターナ被告夫妻が、13年に受け取った金は10年の大統領選の裏金だったと供述したと22日付伯字紙が報じた。
サンターナ被告と妻のモニカ・モウラ被告は今年2月、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)第23弾で逮捕された際、モニカ被告が管理するオフショアのシェルビル・ファイナンスの口座に払い込まれた金は、PB絡みでオデブレヒト社が支払った賄賂ではなく、外国で支援した選挙キャンペーンの報酬としていた。
だが、21日にパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事の前で行った供述では、13年に受け取った450万ドルは10年の大統領選で受け取るはずだった報酬で、再三催促した結果、PT中央会計だったジョアン・ヴァカリ・ネット被告からズウィ・スコルニキ被告と連絡を取るように指示を受けたと語った。
スコルニキ被告は表向きはアジア系企業ケッペル・フェルスのブラジル販売員だが、実際はPBの事業を請け負った企業からの贈収賄のオペレーターの1人で、PT関係者への金を動かしていた。
サンターナ被告とモニカ被告の供述は別々に行われたが、二人共「13年に受け取った金は10年の大統領選の裏金」と認めた。サンターナ被告は、2月に嘘をついたのは、罷免審議の最中に裏金を受け取ったと言えばジウマ氏を更に追い込むと考えたと説明。「彼女を当選させた者として、本人が大統領職を追われぬよう、庇うために嘘をついた」という。
一方、10年選挙の未払い分は10回払いのはずだったが、10回目はLJの捜査が進んだために払われてないとするサンターナ被告らに対し、スコルニキ被告は500万ドル払ったと言う。
スコルニキ被告は21日、司法取引後初の報奨付供述に応じ、PBの石油採掘船やプラットホームの建立を担当するセッテ・ブラジル絡みで、PB元サービス課長のペドロ・バルスコ被告と交わした契約に関する賄賂の受け渡しを行っていた事を認めた。サンターナ夫妻への金は、ヴァカリ被告の指示でPTへの賄賂用に設けた専用口座から払い出したという。
ジウマ氏は、サンターナ被告夫妻の供述に関する質問に、「選挙資金は選挙高裁に全て申告、承認済み。裏金があったとしたら選挙参謀だったサンターナ氏らの責任であり、自分は何も関与していない」と返答した。
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