リオ五輪開幕に向け、24日に選手村がオープンしたが、電気、ガス、水道の不備などで苦情が相次ぎ、豪州オリンピック委員会(AOC)が当面は選手を入村させないと発表、国際オリンピック委員会(IOC)もリオ五輪組織委員会に対処を要請したと25日付伯字紙が報じた。
リオ市から五輪組織委員会への選手村の施設の引渡しは6月15日に行われ、6月23日の「オリンピックの日」には、一般公開もされていた。
だが、300台のバス発着が可能なターミナルや1日6万食を提供出来る食堂、様々な宗教の人が利用できる集会施設、レクリエーション施設や最新型の器材を備えたジムなどを自画自賛した後に迎えた入村初日、AOCが数々の問題点を指摘して入村を拒否。問題が解決するまでホテルに滞在する事にした。
豪州選手団を率いるキティ・チラー団長が指摘したのは、トイレの配管からの水漏れやむき出しの電気線、配線が埋められた壁からの水漏れ、調理中のガス臭といった設備上の問題や床の汚れだ。「大会中の選手に快適な環境を整えるのが私の役割」という同氏は、事前調査の際に指摘した問題点も未解決だったとし、「五輪は5度目だがこんなに酷いコンディションだった事はない」と手厳しく批判。リオ市のエドゥアルド・パエス市長はこれを受け、「何らかの調整が必要となるのは当たり前」だが「2000年のシドニー五輪時より綺麗で質も高い」と反論した。
だが、床の掃除や電気の配線といった問題は他国選手からも指摘されており、五輪組織委員会は配管工ら500人を急遽増員。3日以内に問題を解決すると約束した。
選手村では開村前も、照明器具や鏡、便座の蓋、コンピューターなどの備え付け家具や備品の盗難が起き、警備員や清掃員が疑われていた。
豪州は近くのホテルに滞在中で、問題が解決すれば選手村に入る。豪州以外にも、スイスが女子サッカー選手らの入所を延期した。ブラジルや米国、イタリア、オランダなどは、清掃や照明器具の取り付けなどを行う人を自前で雇い、入居前の作業を依頼したという。
選手村村長は、2007年にブラジル女子バスケット代表チームのキャプテンを務め、1996年のアトランタ大会で銀メダル、2000年のシドニー大会で銅メダルを獲得したジャネッチ・アルカイン氏だ。本来は祭典が開かれるはずの開村初日から批判山積となった事に対し、五輪組織委員会のルロス・ヌズマン会長は「何かあれば批判が出るのは普通の事、今は誰のミスかを探す時ではない」とした上、「リオ大会は史上最良の大会になる」と太鼓判を押した。