10月のサンパウロ市市長選に民主運動党(PMDB)から立候補するマルタ・スプリシー元サンパウロ市市長(2001~04年)の副候補に、アンドレア・マタラゾ市議(社会民主党・PSD)が、自らの出馬を取りやめて就くことが正式に決まった。ミシェル・テメル大統領(PMDB)の後押しや人脈が決め手となった。26日付伯字紙が報じている。
マルタ陣営は早くからマタラゾ氏を副候補に迎えたがっていたが、障壁があると思われていた。それはマタラゾ氏がPSDに移る直前まで、民主社会党(PSDB)の市長候補だったためだ。PSDBは、マルタ氏が長年在籍した労働者党(PT)の政敵であり、マタラゾ氏も、ジョゼ・セーラ市長(PSDB、2005~06年)やジルベルト・カサビ市長(PSD、06~12年)の時代に、区長や市の局長のひとりとしてマルタ市政を批判していた。
だが、今やそのセーラ氏とカサビ氏も、テメル暫定政権の大臣をつとめていることもあり、マルタ氏とマタラゾ氏を結びつける下地は出来ていた。テメル氏自身もマタラゾ氏を説得する電話をかけたが、最後はテメル氏と懇意で、同氏からマルタ氏の選挙コーディネーターをと依頼されてもいた同党サンパウロ市支部長のジョゼ・ユネス氏が取りまとめた。
正式に話がまとまったのは24日で、マタラゾ氏とカサビ氏、マルタ氏、ユネス氏、マルタ氏の夫でPMDBと所縁のあるマルシオ・トレド氏の立会いのもとで、話がまとまった。ただし、正式発表はサンパウロ市のPMDB党大会かそれ以降と見られている。
PMDB側としては、元来、サンパウロ市周辺部の貧困層に強いマルタ氏に、市中央部の富裕層や高年齢者層に強いマタラゾ氏を加えることによって、現在2位の支持率をさらに高め、1位のセウソ・ルッソマノ氏(ブラジル共和党・PRB)に追撃をかけたいところだ。
また、これにより、マタラゾ氏との話が立ち消えた時の副候補にと考えられていたブラジル労働党(PTB)のマルレーネ・カンポス・マシャド氏は、ルッソマノ氏の副に落ち着きそうだ。
ルッソマノ氏は連立政党が少なく、選挙キャンペーンを展開する上で不利と見られていたが、PTBや、マルコ・フェリシアーノ下議が出馬を断念したキリスト教社会党(PSC)などと4党連立を組むことになる。
連立で圧倒的に有利なのは、現在支持率5位のジョアン・ドリア氏(PSDB)の12党で、選挙キャンペーンでの放送時間が豊富になる。支持率4位で現職のフェルナンド・ハダジ氏(PT)は、5党との連立でそれに続く。マルタ氏はPSDとPMDBの二つのみだが、両党共に放送での持ち時間が長く、大きなマイナスにはならない。
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