ブラジル民はリオ五輪に関し、イベントが成功するか否かは気にかかるが、同五輪がブラジルにもたらすものは利益よりも損失の方が大きいと考えている人が14年のサッカーW杯のときより多いなど、冷めた目で見ている人が多いと、27日付エスタード紙が報じている。
世論調査会社イボッピが14日から18日にかけて、全国2002人を対象に行ったアンケートによると、「あなたにとってリオ五輪で何が一番重要か」との問いに、59%が「イベントの成功」と答え、「ブラジルが競技に勝つ」の31%を大きく上回った。
14年のサッカーW杯のときは、51%が「セレソンが優勝するかいなか」が気になり、イベントの成功は24%の人しか気にしていなかった。
さらに、「リオ五輪はブラジルに利益と損失のどちらをもたらすか」の質問には、60%が「損失」と答え、「利益」の32%を大きく上回った。
サッカーのW杯のときは、「利益」が43%、「損失」が40%だった。
今回のこの傾向について、イボッピCEOのマルシア・カヴァラーリ氏は、「国民は、諸外国からブラジルがどう見られているかを気にかけている。W杯は〃サッカーに勝ちさえすれば〃あとのことは気にしないという風潮があったが、五輪は競技が多岐にわたり、勝ち負けよりも統合や一体化、もてなしといった雰囲気が重視されるから、国民としてもイベントの成功の方が気になる」と語っている。
さらに「W杯が、全国12都市での開催だったのに対し、五輪はリオに特化した大会でもあるので、国全体の利益で見ると大きなものではない」と同CEOは語る。
さらに地域別で見ると、北・中西伯や北東伯では利益と損失を予想する人の比率が4対5くらいなのに対し、リオが位置する南東伯や南伯では損失を予想する人が全体の3分の2にあたる66%に及び、利益を予想する人は24~27%にとどまっている。
また、リオ五輪に対する国民の思いも冷めていることがわかった。同アンケートでは、回答者に熱意の度合いをたずねたが、「さめている」「すごく冷めている」「氷のように冷え切っている」が合計で48%で、「燃え滾っている」「すごく熱い」「熱い」「そこそこ熱い」の合計47%を上回っている。同じ質問はW杯の1週間前にも行われたが、その際は「熱い」のグループが58%で、「寒い」の合計は39%にとどまっていた。今回の調査では、「燃え滾っている」は3%に過ぎず、「氷のよう~」が24%に及んでいる。
マルシアCEOは、「いざ競技がはじまれば意見は変わる。W杯の際も、競技開始後は『熱い』のグループが74%に達していた」と言う。
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