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浮浪者がビリングス侵入=湖畔で森林破壊、家を建築

 サンパウロ市南部にあるビリングス湖湖畔の環境保護区に2週間ほど前からホームレスの人たちが不法侵入し、3万8千平米に及ぶ地域の森林を伐採、350軒の小屋を建てるなどの環境破壊行為を行っている。同地域では昨年4月にも不法侵入が起きていると28日付エスタード紙が報じた。
 この土地は、ピニェイロス川やグアラピランガ湖などの水位や、これらの水源の水を利用する水力発電所の管理などを州政府に委託された「都市水エネルギー公社(Emae)」の所有地だ。
 26日午後、Emaeは裁判所から所有復権令状(強制退去命令)を取得した。サントアマーロ第6民事法廷のルイス・ラファエル・ヴァウデス判事は「軍警や市警備隊の巡回区域内にも関わらず、侵入や破壊行為は素早く行われており、状況に即した早急な対策が必要だ」と述べている。
 森林伐採の多くは先週末、アルヴァレンガ街道を軸に、ビリングス湖方面と反対方面の両方向に向かって行われた。この辺りはファヴェーラが林立し、伐採が行われたのは同地域最後の緑地だったが、そこに大きな空き地が出来た。侵入者は空き地を区画化し、電気を引くと、木材や防水シートで小屋を建て始めた。
 侵入地域は市条例で永久保存区域(APP)に定められており、森林伐採や居住は認められていない。Emaeによると、侵入者が同公社職員の査察を阻んでいるため、破壊された地域の広さや侵入者の数はわからないという。
 グループのリーダーのセリオ・ジョセル・チアゴ氏は「Emaeがサンパウロ市に負債を抱えているからここを選んだ」というが、市財務局のサイトではそのような事実は確認されていない。同氏によると、警官は来たが公社職員は来ておらず、強制退去の話も聞いていないという。「土地の測量や区分けをし、住民登録も行っている。妊婦は保健所に連れて行き、子供たちの面倒も見ている。ここに住み、政府の持ち家政策にも登録するつもりだ」と語っている。