【既報関連】不況や失業者の増加で、サンパウロ市地下鉄の利用者が昨年より大幅に減ったと28日付エスタード紙が報じた。
7月の場合、サンパウロ市地下鉄利用者は1日平均440万人で、昨年同月の平均470万人を30万人(6・3%)下回った。1~5月の平均は昨年同期比で10万人減だったが、6月から7月にかけては利用者の減少幅が大きくなったという。
この数字は、1~3号線(青、緑、赤)とリラス、モノレールのプラッタの利用者数をまとめたもので、4号線(黄)は含めていない。4号線の利用者の最終統計は6月のものだが、同線の利用者は、1日平均68万3700人で、昨年同月の69万3600人比1・43%減に止まった。
サンパウロ州交通局のクロドアウド・ペリシオニ局長は、「大サンパウロ市圏の失業者は160万人に達したと言われており、地下鉄の利用者も1日の平均で30万人減った」と発表。地下鉄公社の経営危機の直接的な原因は利用者数が大きく減少している事で、26日付フォーリャ紙などが報じた、高齢者などの無償または半額利用者の増加による影響はより小さいと釈明した。
利用者減少は運賃収入の減少を招くが、人件費や電気代などの必要経費は利用者が減っても変わらないというのがその理由だ。