サンパウロ州地裁が州立校の再編成に関する裁判を停止することを決めた。第五財務法廷のカルメン・クリスチーナ・フェルナンデス・テイジェイロ・イ・オリヴェイラ判事によると、州立校の再編成に関する問題は、ジェラルド・アウキミン知事が(社会労働党)昨年、州立校の再編成を中断すると決めた時点で、訴訟に至った理由を失っており、裁判を継続する意味はなくなったという。
カルメン判事は、州立校の再編成が明確な基準を明らかにせず、隠蔽された状態で行われているとの訴えに対し、専門家も「明らかに違法と言える証拠はない」と判断していることや、教育局長が提出した情報が不充分であることなども、裁判停止の理由とした
小学校から高校に至る州立校(初等~中等)の再編成に対する訴訟は、サンパウロ州検察局と公選弁護人が昨年12月に起こしたものだ。
これらの機関が要請したのは、州教育局のエルマン・ヴォルワウド局長が発表した、754校を初等Ⅰ(1~5年生)と初等Ⅱ(6~9年生)、中等(高校)のいずれか1サイクルだけを担当する学校とし、94校を閉鎖すると共に、31万1千人の生徒を転校させる計画の中止だった。生徒たちはこの政策に対し、196校を占拠する反対運動を起こした。
州検察局と公選弁護人らが訴訟を申し立てた理由は州政府の対話の不足で、再編成中止後も、人数の少ない初等部6年と中等部1年を閉鎖するという話が進められているという通報が真実か否かを調査することを裁判所の求めていた。
同判事は、再編が隠蔽された状態で行われていたとしても、後期にそれを覆すことは、生徒に損害を与える可能性があり、不可能だと考えている。判決文には「今年ももう半年以上終わっており、現時点で裁判を進めても、生徒や教職員、特に6年生や1年生に2015年に授業を受けていた教室に戻るよう命じることは適切ではない」と書かれている。
同判事はさらに、州検察局と公選弁護人からの州政府は再編について協議する場を設けるようにとの要請は、「民主主義の原則に則れば、州政府の活動は、立法や行政にかかわるもので、司法が口を挟むものではない」としている。
ジョアン・パウロ・ファウスチノニ検察官は判決内容を知らされていないとした上で、公選弁護人と協議し、次に取るべき行動の内容を決めると述べた。現時点では、判決に対して不服を申し立てるか、秘密裏に改編を続いているか否かを続けて調査するために、民法上の捜査開始許可を求めるかの二つの方法が考えられているという。
同検察官は「16年の内に改編不可の判決が出れば、体制を整えた上で改めて訴訟を起こす可能性がある」と語った。
州教育局は、改編中止は昨年の内に決まっており、裁判の停止は「確証された」と見ている。(28日付エスタード紙より)