サンパウロ州立公務員病院内で詐欺行為が起き、監察官が患者の家族の供述をとり、来院者の記録や監視カメラの映像提出を要請したと28日付アゴラ紙が報じた。病院側は、市警や院内監察局の支持を得て過去の事例を調査する意向も表明した。
26日に公務員病院で起きた詐欺は、医師を装った男性から緊急手術が必要といわれた集中治療室(ICU)入院患者5人の家族が、男性の指示した銀行口座に金を振込んだというものだ。同病院での医療行為は全て無料で行われている。
同件を調査した院内監察官は、詐欺被害事件としてヴィラ・マリアーナの市警第36署に被害届を出した。監察官は3家族が5300レアル払ったと届け出たが、同紙記者の取材では、1千レと2200レを支払った家族も見つかっている。
詐欺の手口はいずれの場合もほとんど同じで、26日午前10時頃、医者を自称する男性が同病院4階のICUにいる患者の家族に電話を掛け、患者の病状を説明した。
「夫の様態が悪化したのでCTスキャンをとる必要があると言われた」と言うのは裁判所書記官のベゼラ・パヴァネリさん(49)だ。ベゼラさんの夫、ウィルソンさん(50)は腫瘍が見つかり、胃の摘出手術を受けた。詐欺犯は2200レを要求したが、1千レに値下げ交渉した。「13カ月給で先払いできる限度だった」という金は、麻州で引き落とされた。