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7月31日の反ルーラ、ジウマ・デモより(Rovena Rosa/Agência Brasil)
7月31日の反ルーラ、ジウマ・デモより(Rovena Rosa/Agência Brasil)

ルーラが初の被告に=LJの捜査妨害の容疑で=ジウマの弾劾裁判に響くか=テメル18年出馬の声も

 7月29日、連邦直轄区連邦裁判所が、ルーラ前大統領がラヴァ・ジャット作戦を妨害しようとしたとの起訴状を受け付け、同氏が被告となり、ジウマ大統領の上院での罷免審議に不安を残した。一方、ミシェル・テメル大統領代行に関して、政界での支持者の間で、同氏を18年の大統領選に臨ませたいとの意向も出て来ているという。7月30日~8月1日付伯字紙が報じている。

 ルーラ氏が容疑を問われたのは、昨年10月、デウシジオ・アマラル上議(当時。後に罷免)がペトラブラス元国際部長のネストル・セルヴェロー被告を報奨付供述に応じさせないよう、同氏の家族を説得することで捜査を妨害しようとしたことだ。
 この件でルーラ氏はデウシジオ氏、親友の牧畜企業家で既にLJ被告のジョゼ・カルロス・ブンライ氏ら、計5人と共に被告扱いとなった。ルーラ氏が裁判の被告となったのは、これがはじめてだ。
 ルーラ氏側はこの容疑を全面的に否定している。だが、ルーラ氏はこれ以外にも、サンパウロ州のグアルジャーの高級住宅やアチバイアの別荘での改築工事の形を借りた贈収賄疑惑、ルーラ研究所の不正献金受取疑惑、ゼロテス作戦での暫定令(MP)の議会通過を引き換えとした自動車企業との贈収賄疑惑、ルーラ氏の講演会での贈収賄疑惑、更に、今年3月の逮捕逃れを目的にしたと見られる官房長官就任疑惑など、まだまだ次の被告となる要因が控えている。
 ルーラ氏が被告となったことは、今月29日から始まる見込みのジウマ大統領の弾劾裁判にも暗い影を落とすことになりそうだと関係者は苦慮している。
 また、ルーラ氏が有罪となれば、フィッシャ・リンパ法適用で、18年の大統領選へも出馬できなくなる。
 一方、7月30日付の伯字紙の報道によれば、まだ公にはされていないが、民主運動党(PMDB)内の一部支持者らの間で、18年の大統領選挙にミシェル・テメル大統領代行を出馬させようとする動きがあるという。
 これはあくまで、ジウマ大統領の罷免が成立し、テメル政権の支持率が上昇して安定した場合の話ではある。テメル氏は5月に暫定政権を組む際、民主社会党(PSDB)、民主党(DEM)、ブラジル社会党(PSD)ら旧野党の支持を取り付けるために自身の18年出馬はないとの方針を示していたが、現時点でロドリゴ・マイア下院議長(DEM)はテメル氏出馬に前向きと言われている。
 7月31日はサンパウロ市のパウリスタ大通りで反ルーラ、反ジウマ・デモ、西部ピニェイロスでは反テメル・デモが行われた。また、全国では19州都を含む少なくとも50市で、反ジウマまたは反テメルのデモが行われた。