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デモの被害にあった女優レチシア・サバテラ(右、Jane de Araújo/ Agência Senado)
デモの被害にあった女優レチシア・サバテラ(右、Jane de Araújo/ Agência Senado)

有名女優に容赦ない罵声=過激な反ジウマ大統領デモ

 7月31日は全国規模で、8月下旬に弾劾裁判を控えているジウマ大統領に対するデモと、擁護するデモが行われたが、パラナ州クリチーバで行われた反ジウマ大統領デモでは、ある有名女優が参加者の餌食となった。
 レチシア・サバテラ(45)は、90年代からグローボ局のノヴェーラで活躍している。大きな瞳と強いウェーブのかかった黒髪が特徴で、ノヴェーラでは存在感のある脇役で知られる。2010年には大ヒット映画の「シコ・シャヴィエル」にも出演した。
 ブラジルの芸能界はジウマ大統領が所属する労働者党(PT)支持者「ぺチスタ」が多く、レチシアはその中でもかなり熱心な人物として知られている。連邦政府主催の会合に芸能界代表として何度も出席し、スピーチする姿もたびたび目撃されており、ジウマ氏罷免を求める声が強まった3~4月には、罷免反対派の代表として公衆の前にも立った。
 芸能人はリオ在住者が多いが、彼女は珍しくクリチーバ在住なため、7月31日に災難にあった。それは彼女がサントス・アンドラーデ広場を通っていたとき、知人を見つけて声をかけようと思い、車を降りたときに起こった。
 そこではちょうど反ジウマ・デモが行われており、レチシアは道行くデモ参加者から、女性への侮蔑語である「プータ」と呼ばれた上、「コミュニスタ(共産主義者)」「恥知らず」「ブラジルの旗は2度と赤になんかならない」などとも罵倒された。人々に取り囲まれたレチシアは、警官に守られてその場を去ったが、彼女はこれにショックを受けた。この模様はラジオ局のCBN局のスタッフが録画しており、ビデオがネットに流れたことで大きな話題にもなった。
 レチシアは後日、ここで受けた被害を警察に届け出ている。
 リオ五輪まで1週間を切ったブラジルで、国民がなかなか五輪気分になれない姿はこうしたところにも垣間見られる。(7月31日付オ・グローボ・サイトなどより)