ブラジルの1~7月の貿易収支の黒字額が282億USドルに達し、同時期としては最良の記録を達成した。この結果を基に、ブラジル政府は年末の黒字額は450~500億USドルを記録すると予想している。2日付エスタード紙が報じた。
昨今の不況により、輸出入額はどちらも、昨年同時期より減少した。だが、先月の輸出額が昨年同月より3・5%減ったのに対し、輸入額は20・3%減ったことで、黒字幅が広がった。
通産開発省のエルロン・ブランドン支援統計課長は、輸出額が下落した要因として、昨年7月の営業日は23日あったが、先月の営業日は21日しかなく、営業日が2日少なかったことを挙げた。
ブランドン氏は、1~7月の貿易収支の黒字額が過去最高となった原因として、輸入額の減少が輸出額の減少を大きく上回ったことを上げた。同氏によると、「輸入額の動きは国内の経済活動の状況を如実に表している」という。7月の輸出額は約163億USドル、輸入額は約117億USドルだった。
コンサルタント会社MCMの経済学者、レナン・マルチンス氏は、貿易収支の黒字額は新記録を達成したが、ブラジルの貿易収支は経済活動の弱体化を示しており、今後は更に注意深く、市場の動向を監視しなければならないと語った。また、現在の傾向から見て、年末の黒字額は当初の予想を若干下回る550万ドルとの見解を示した。同氏は一時、600億ドルの黒字と予想していたが、「今年始めは輸出の伸びが大きく、輸入も大幅に落ち込んだ。だが、2カ月前からこの動きに変化が生じ、輸出が減り始めた一方、輸入減少が落ち着き、落ち込み幅が減っている」と語った。