ホーム | 日系社会ニュース | 茨城県人会創立55周年祝う=若者が結集して企画準備=知事と20年来の旧交温め
ケーキカットで創立祝う関係者。左から2人目が小川議長、小林会長、橋本知事
ケーキカットで創立祝う関係者。左から2人目が小川議長、小林会長、橋本知事

茨城県人会創立55周年祝う=若者が結集して企画準備=知事と20年来の旧交温め

 茨城県人会(小林操会長)の創立55周年記念式典が、31日午前10時から文協小講堂で行われた。母県から橋本昌県知事、小川一成県議会議長ら慶祝団12人が駆けつけたほか、中前隆博在聖総領事、各県人会会長らが多数出席し、延べ150人を超える参加者で盛大に祝われた。

 先没者への黙祷を捧げた後、挨拶に立った小林会長は「母県からはこれまで最大限の援助を頂いてきた」と謝意を述べ、「現在60人を越える研修生が巣立ち、各界で活躍している。今企画も若者が結集し、準備をしてくれた。これなら今後の県人会は安泰だと確信した」として今後に対する信頼感を強調した。
 創立35周年から20年もの長い付き合いのある橋本知事が、「東日本大震災での皆様からの心配と多額な義捐金に感謝したい。より強い茨城のために奮闘し、茨城とブラジル、日本とブラジルのさらなる発展を期待したい」と挨拶すると、会員からは歓迎ムードが広がった。小川議会議長、中前在聖総領事、羽藤譲二サンパウロ州議、山田康夫県連会長、呉屋春美文協会長からも祝辞が相次いだ。
 その後、慶祝団から県人会へ記念品、日系3団体へ寄附金が贈呈されたほか、最高齢者表彰が行われ、茨城・ブラジルリーダー交流の内田カズキ・ジェルソン代表や県費研修生の相良レイコ・アリーネ代表が各々の言葉で、母県の支援への感謝や研修制度の意義を述べ、制度続行を求めた。
 式典後には、茨城県から来伯した霞朗詠会(鬼澤霞会長)やブラジル祥こう流詩吟支部会(森下祥星会長)による演目が披露され、和服姿のブラジル人衆が心を込めた圧巻の舞を見せると来場者からは拍手喝采が向けられた。
 午後からは会場を展示室に移し、盛大な祝賀会が催された。茨城県の地酒『月の井』で鏡割りが行われ、ケーキカットでは、55周年の数字を模した蝋燭を小林会長と橋本知事がそれぞれ吹き消すと大きな歓声が上がり、「パラベンス・パラ・ボセ」の大合唱で大盛り上がりとなった。
 祝賀会では、橋本知事と記念撮影をする姿があちこちで見られ、各々が母県との繋がりに思いを馳せた。霞朗詠会の一人として日本から参加した高村とよさん(71、茨城)は、「10年前よりも人数も多く盛大で驚いた。親の姿を見て、二世や三世が興味を持ち、引継ごうとする姿勢が見られて嬉しい」と感慨深げに語った。